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インサイドセールスとは?組織における役割と業務内容を解説

インサイドセールスは、対面による営業活動を最小限に抑え、電話やメール、オンラインツールなどを活用しながら顧客との関係を構築していく営業手法です。移動の必要がほとんどないため、生産性とコスト削減の両立を狙える点が近年注目を集めています。
 
​​​​​​​ここでは、インサイドセールスの定義や基本的な概要、メリット・デメリット、導入に向けた具体的な手順やツールなどを総合的に解説していきます。

目次[非表示]

  1. 1.インサイドセールスの基本的な概要と特徴
    1. 1.1.インサイドセールスの定義と意味
    2. 1.2.フィールドセールスとの違い
    3. 1.3.テレアポとの違い
    4. 1.4.インサイドセールスの種類「SDR」「BDR」
  2. 2.インサイドセールスが注目される背景
    1. 2.1.新型コロナウイルスによる営業手法の変化
    2. 2.2.営業プロセスの効率化
    3. 2.3.デジタルツールの普及とDX推進
    4. 2.4.ABMの推進
  3. 3.インサイドセールスの役割と業務内容
    1. 3.1.見込み顧客のリード獲得と育成
    2. 3.2.商談機会の創出と顧客情報の一元管理
    3. 3.3.部門間連携とマーケティング部門の協力
  4. 4.インサイドセールスのメリットとデメリット
    1. 4.1.メリット
    2. 4.2.デメリット
  5. 5.インサイドセールスを成功させる鍵
    1. 5.1.適切な人材の採用と育成
    2. 5.2.データ分析による計測とKPIの設定
    3. 5.3.柔軟な営業戦略と連携体制の構築
  6. 6.インサイドセールスの導入ステップとツール活用
    1. 6.1.導入手順の基本
    2. 6.2.活用ツールの種類と例
  7. 7.インサイドセールスの未来と可能性
    1. 7.1.働き方改革とリモートワークの影響
    2. 7.2.BtoB営業におけるインサイドセールスの重要性
  8. 8.まとめ:効率的営業の新潮流を理解する
    1. 8.1.成果が出る“型”を営業組織にインストール

インサイドセールスの基本的な概要と特徴

まずは、インサイドセールスの基本的な概念について整理しておきましょう。

インサイドセールスという言葉は、元々アメリカで生まれたとされており、遠隔手段を通じて顧客とコミュニケーションを行うことを指します。

これまではフィールドセールスが主体であった営業活動ですが、オンライン会議システムや顧客管理ツールの普及に伴い、インサイドセールスの活用が大きく広がってきました。特に近年は、移動なしで効率的に商談まで進められることから、注目度がますます高まっています。

インサイドセールスの定義と意味

インサイドセールスとは、客先への訪問を行わずに、電話・メール・オンライン会議システムなどを用いて顧客とコミュニケーションを取り、商談や契約へとつなげていく営業手法のことです。
 
移動時間や交通費がほぼ発生しない点が大きな特徴であり、すばやく多くの顧客へアプローチできるメリットがあります。
 
また、デジタルツールと連携しながら顧客情報を深掘りすることで、見込み顧客を効率的に育成することも可能となります。
 
インサイドセールスは「the model」と呼ばれる現代的な営業プロセスにおいて重要な役割を担っています。「the model」とは、マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスの4つの部門が連携して成果を最大化する営業モデルです。
 
この中でインサイドセールスは、マーケティングが創出したリードを育成し、フィールドセールスへ質の高い商談機会を引き渡す橋渡し役として機能しています。

フィールドセールスとの違い

フィールドセールスとは、実際に担当者が顧客先を訪問し、対面で商談を行う営業手法です。一方でインサイドセールスは、基本的に遠隔でのコミュニケーションがメインとなるため、移動コストが劇的に削減できるだけでなく、短いサイクルで複数の商談を進めることが可能です。

顧客との深い関係構築を対面で行うか、それともオンラインや電話で行うかという違いこそありますが、いずれの手法も組み合わせることで効率的かつ効果的な営業活動を行えるようになります。

テレアポとの違い

テレアポは電話を活用してアポイント獲得に特化する活動を指しますが、インサイドセールスは商談機会の創出だけでなく、見込み顧客の育成や顧客情報の活用など、より包括的な業務を行います。

メールやオンラインミーティングツールを駆使して、継続的に顧客とやり取りを重ねながら信頼関係を築き、最終的に商談へとつなげる点がインサイドセールスの大きな特徴です。単なるアポイントの取り付けとは異なる丁寧なコミュニケーションが求められるため、人材育成やスキルアップも重要となります。

インサイドセールスの種類「SDR」「BDR」

インサイドセールスの種類「SDR」「BDR」 インサイドセールスは大きく「SDR(Sales Development Representative)」と「BDR(Business Development Representative)」の2つに分類されます。どちらも見込み顧客との接点を作る役割を担いますが、アプローチ方法や対象顧客が異なります。
 
SDRはマーケティング活動によって獲得された反響リードに対してアプローチを行う「インバウンド型」の手法です。一方、BDRは企業が独自にターゲットリストを作成し、能動的にアプローチを仕掛ける「アウトバウンド型」の手法となります。

項目

SDR

BDR

アプローチ方法

インバウンド(反響型)

アウトバウンド(新規開拓型)

対象顧客

既に関心を示している見込み顧客

潜在的なニーズを持つ企業

主な業務

リードの育成・商談化

新規リストの開拓・関係構築


多くの企業では、SDRから始めて反響リードの対応体制を整えた後、BDRによる新規開拓に取り組むケースが一般的です。自社のリソースや商材特性に応じて、どちらの手法を優先するかを検討することが重要といえるでしょう。
 
詳しくは以下の記事で解説していますので、ご参照ください。
BDRとSDRの違いとは?インサイドセールスで成果を出すポイントを徹底解説

インサイドセールスが注目される背景

近年、インサイドセールスへの注目が高まっています。その背景にはいくつかの要因があります。
テクノロジーの進化や営業手法の多様化が進み、従来の対面型営業だけでは十分に対応しきれない顧客ニーズが増えてきました。

遠隔でのコミュニケーションを活用するインサイドセールスは、幅広い顧客に効率的にアプローチしながらも、適切なタイミングで深いコミュニケーションに移行できる点が評価されています。こうした背景が、企業全体の営業戦略を変革させる原動力となっているのです。

実際の導入率については以下の記事で解説していますので、ご参照ください。
インサイドセールスの導入率は?導入する5つのメリットを紹介

新型コロナウイルスによる営業手法の変化

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、対面での商談機会が大幅に制限されたことで、オンラインによる営業活動の重要性が一気に高まりました。

実際に訪問が困難な状況下でも、オンライン会議システムやチャットツールを駆使することで、従来通りの商談を行うことが可能となったのです。これを機にインサイドセールスが大きく普及した企業も少なくありません。

営業プロセスの効率化

移動にかかる時間やコストを削減し、より多くの顧客とやり取りができる点は大きなメリットです。フィールドセールスが一日に訪問できる数には限りがありますが、インサイドセールスであれば同じ時間で複数の商談やフォローアップを進めることが可能です。

こうした効率化は、結果として売上や顧客満足度の向上にも直結してきます。

デジタルツールの普及とDX推進

CRMやマーケティングオートメーションの普及により、顧客情報を一元管理し、データを活用したアプローチが進みやすくなりました。

これにより、インサイドセールスの担当者が必要とする顧客データや商談履歴をリアルタイムで共有し、最適なアクションをとりやすい環境が整ってきたのです。DXを推進する企業にとって、インサイドセールスはビジネスを加速させるための重要な手段となっています。

ABMの推進

ABM(Account Based Marketing)とは、特定の重要顧客や見込み顧客企業を明確にターゲット設定し、その企業に対してパーソナライズされたマーケティングと営業活動を展開する戦略的アプローチです。ABMの推進において、インサイドセールスは欠かせない存在となっています。
 
従来のリード獲得型マーケティングが「数を追う」アプローチであるのに対し、ABMは「質を重視」した手法といえます。ターゲット企業内の複数の関係者に対して一貫したメッセージを届け、組織全体での意思決定を促進することを目的としています。
 
インサイドセールスはABM戦略において、ターゲット企業の各ステークホルダーとの継続的なコミュニケーションを担う重要な役割を果たします。電話やメール、オンライン会議を通じて企業内の意思決定プロセスを把握し、適切なタイミングで関係者全員に価値のある情報を提供することで、組織的な検討を促進できるのです。
 
ABMのついては、以下の記事で詳しく解説していますので、ご参照ください。
ABM(アカウントベースドマーケティング)の効果的なやり方
 
また、こちらではABMを実践する際の詳細なマニュアルを紹介しています。

ABMの実施・導入をお考えの方はぜひ無料ダウンロードしてみてください。

インサイドセールスの役割と業務内容

<監修コメント>

インサイドセールスは、電話やメール、オンライン会議ツールを活用して見込み顧客との関係構築や商談化を行う役割を担います。業務内容は、リードのスクリーニング、ニーズヒアリング、商談設定、既存顧客のフォローなど多岐にわたります。フィールドセールスとの連携により、訪問の効率化や成約率の向上を実現できる点が特徴です。特にBtoB分野では、複雑化する購買プロセスの中で、顧客の意思決定を後押しする情報提供や提案が求められます。また、マーケティング部門と連動し、施策ごとのリード質や反応傾向を分析することで、より精度の高いアプローチが可能になります。インサイドセールスは単なる事前接触ではなく、営業成果を底上げする中核的な役割を担っています。

インサイドセールスが実際にどのような業務を担っているか、具体的に見ていきましょう。

インサイドセールスは見込み顧客の発掘や育成をはじめ、既存顧客との関係性を深めるフォローアップなど、多岐にわたるザーケティングやフィールドセールスとの連携が不可欠です。

企業規模や商材によって業務範囲や担当領域は異なりますが、データドリブンな行動を取ることや、オンライン上での顧客との接触頻度を高める役割を果たしている点は共通しています。

見込み顧客のリード獲得と育成

主にマーケティング部門が獲得したリード情報をもとに、顧客のニーズや課題を深堀りする作業を行います。電話やメールを通じてコミュニケーションを重ね、顧客が興味を持つポイントを探りながら信頼関係を築くのが大きな使命です。

この段階でしっかりと顧客の関心を引き出すことで、後の商談をスムーズに進められるようになります。

商談機会の創出と顧客情報の一元管理

商談の機会を生み出すためには、顧客との継続的なコミュニケーションが重要となります。インサイドセールスでは専用のCRMシステムを活用し、すべてのやり取りを記録しながら顧客情報を一元管理します。

こうしたデータはフィールドセールスとも共有され、適切なタイミングで訪問やオンライン会議を実施することで、受注率の向上を図ります。

部門間連携とマーケティング部門の協力

インサイドセールスの成果を高めるには、マーケティング部門との協力体制が欠かせません。マーケティングで実施したキャンペーンの反応やサイト訪問履歴などのデータを元に、より正確なターゲット選定や顧客への情報提供が行えるようになるからです。

フィールドセールスを含むすべての部門と連携しながら、統合的に顧客をフォローしていく仕組みを構築することで、高い営業効果が期待できます。

インサイドセールスのメリットとデメリット

インサイドセールスには数多くの利点がありますが、一方でいくつかの注意点も存在します。

企業がインサイドセールスを導入するうえで意識すべきなのは、そのメリットと同時にデメリットも把握しておくことです。双方を理解したうえで組織体制を整えると、より高い成果を生み出す土台が作られます。


メリット

デメリット

効率性

移動時間不要で1日100件以上のアプローチが可能

担当者のスキル差により成果にバラつきが発生

コスト

移動費や頒布資料代など大幅削減

人材育成や専門知識習得にコストがかかる

営業範囲

地理的制約なく全国の顧客にもアプローチ可能

対面での実演が必要な商材には不向き

関係構築  

データ活用で継続的な顧客育成が実現

信頼関係構築に時間がかかる場合がある


導入メリットについては、こちらの記事でも解説しているので、ご参照ください。

インサイドセールスの外注を検討する際のポイントはこちら



インサイドセールスの導入メリットを理解した次は、実際にどのように外注を活用して成果につなげていくかが重要です。

効果的な外注活用にはいくつかのポイントがあります。これらを押さえることで、社内リソースの不足を補い、効率的な営業体制の構築が可能となります。

無料資料「インサイドセールスを外注するポイント」では、その基本的な考え方や押さえるべき視点をまとめています。

ぜひこちらを参考に、実践フェーズの検討にお役立てください。
▶︎ 無料ダウンロードはこちら

メリット

インサイドセールスは比較的短い時間で多くの顧客とコミュニケーションが図れるため、効率的な営業活動が可能となります。また、離れた地域や海外の顧客にも対応しやすいなど、商圏を拡大しやすい点も大きな魅力です。

営業活動の効率化

インサイドセールスでは、移動時間をほとんど必要としないため、同じ時間内でより多くの顧客への対応を行えます。結果として商談の回転率が向上し、営業全体の成果を底上げしやすくなるのです。

株式会社IDEATECHの調査によると、インサイドセールスを実施する理由として「効率化の向上」が55.6%で最多となっており、多くの企業が生産性向上の効果を実感していることがわかります。
 
参照:インサイドセールス未実施のベンチャー企業は「人手」と「専門知識」不足が浮き彫りに 実施企業では、「適切なリードの識別と優先順位付けの難しさ」に課題 〜実施企業の44.4%がインサイドセールスに「ツールやテクノロジー」を導入〜 株式会社IDEATECH

コスト削減効果

移動にかかる交通費や宿泊費を削減できるため、フィールドセールスと比較して費用対効果を高めやすい特徴があります。

さらに、オンライン上で商談を進めることで、必要に応じて商材説明やデモを簡単に共有できるため、時間的コストも軽減できます。

「数字で見るインサイドセールス - CFO向けガイド」では、インサイドセールスはフィールドセールスに比べて営業活動に約13%多くの時間を費やしており、通常はより多くの顧客に対応していることが示されています。
 
特に注目すべきは、フィールドセールスの電話が1社あたり308ドルのコストがかかるのに対し、インサイドセールスの電話はわずか50ドルという圧倒的なコスト差です。この数値は、インサイドセールスがただの分業の一つというだけでなく、根本的に営業効率の改善をもたらすことを示唆していると言えるでしょう。
 
参照:数字で見るインサイドセールス - CFO向けガイド

営業範囲の拡大

オンライン会議ツールやメールを活用することで、地理的条件を問わず遠隔地の顧客にもアプローチできます。これにより、従来は訪問が難しかった地域や海外の企業にも迅速に対応しやすくなり、結果として新規市場の開拓がスムーズに進むでしょう。

デメリット

インサイドセールスはオンライン対応が主軸となるため、商材によっては対面での実演や詳細説明が求められるケースに対応しきれないこともあります。

また、チームの体制や人材育成が不十分だと、期待する効果が得られないこともあるため注意が必要です。

顧客との信頼関係構築の課題

対面のやり取りと比較すると、オンラインや電話のみでは信頼関係を築きにくい場面があります。特に高額商材やカスタマイズ性の高いサービスでは、リアルな接触による安心感が必要になることも多いため、状況に応じた対面サポートやフィールドセールスとの連携が重要です。

属人化のリスクと組織構築の難しさ

インサイドセールスでは、担当者のスキルや経験に応じて成果にバラつきが出やすい傾向があります。チームとしての体制づくりや、ノウハウの共有をシステム化しておかないと、一部の人材に業務が集中してしまい組織運営が難しくなることもあります。

継続的な研修や情報共有の仕組みづくりによって、属人化を防ぐ措置が必要です。

インサイドセールスを成功させる鍵

<監修コメント>

インサイドセールスを成功に導くには、明確なKPI設定と継続的な改善体制が不可欠です。架電件数や商談化率だけでなく、顧客満足度や提案の質など、定性的な指標も評価に組み込みます。スクリプトやリードリストは定期的に見直し、マーケティング施策や市場変化に合わせて柔軟に調整します。さらに、CRMやSFAを活用したデータ管理により、顧客の状況や接触履歴を一元化し、対応の抜け漏れを防ぎます。チーム内で成功事例や反論対応例を共有し、メンバー全員のスキル底上げを図ることも重要です。加えて、フィールドセールスとの情報連携を密にすることで、商談後のクロージングまでの一貫性が保たれます。こうした運用基盤の強化が、安定した成果をもたらします。

導入時や運用時に押さえるべきポイントを確認しておきましょう。

インサイドセールスを円滑に機能させるには、適切な人材の確保やデータ分析による成果測定、そして部門間の連携が不可欠です。運用体制が整っていないと、せっかくのオンライン営業の利点を活かしきれないため、初期段階から戦略的な計画が求められます。

適切な人材の採用と育成

インサイドセールスでは、電話やメール、チャットなど様々なコミュニケーションチャネルを使いこなす能力が重要です。

さらに、顧客の課題を正しく理解したうえで提案を行うコンサルティングセールスの視点や、データを扱うスキルも求められます。新人研修や継続的なトレーニングを通じて担当者を育成し、チーム全体の底上げを図ることが大切です。

インサイドセールス組織の立ち上げ時には、インサイドセールスの設計者、インサイドセールスの実行者、インサイドセールスの管理者の3つのポジションを採用・育成するようにしましょう。
 
また、採用活動において気にするべき点として、まず求める人物像を明確に定義することが重要です。ポジションごとに必要なスキルや経験が異なるため、それぞれに応じた求人を作成する必要があります。また、インサイドセールスの魅力や強みを適切に訴求し、候補者に働く意義を伝えることで優秀な人材の獲得につながります。
 
求人作成時は厚生労働省の規定に従い、労働条件などの必須項目を漏れなく記載することも忘れてはいけません。
 
インサイドセールスの求人の出し方についてはこちらで詳しく解説しているので、無料ダウンロードでご参照ください。



データ分析による計測とKPIの設定

インサイドセールスの成果はリード獲得数や商談化率、受注率など定量的な指標で測りやすいという特徴があります。CRMやMAツールなどを活用して日々の成果をトラッキングし、KPIを設定することで、業務改善の糸口を見出しやすくなります。

これらのデータをレポートとして定期的に共有することで、チーム全体のモチベーションとパフォーマンスを高めることができるでしょう。

インサイドセールスでは「量」と「質」の両方の観点からKPIを設定することが重要です。量的な指標としては、アプローチ数、資料送付件数、リード獲得数、商談化数などがあります。一方、質的な指標には、有効なリード件数、アポイント化率、有効な商談化数、受注率などが挙げられます。これらのバランスを適切に管理することで、持続的な成果向上が期待できます。
 
KPI設定の具体的な方法として、まずKGI(重要目標達成指標)を明確に設定することから始めます。次に営業プロセス全体を分析し、数値化できる項目を洗い出します。その後、各プロセスに対応するKPIを設定し、定期的な測定と改善のサイクルを構築することで、データドリブンな営業組織を実現できるでしょう。
 
インサイドセールスで重要なKPIについてはこちらの資料で詳しく解説しています。無料ダウンロードでご参照ください。



柔軟な営業戦略と連携体制の構築

商材や顧客セグメントによっては、フィールドセールスとのハイブリッド体制が効果的なケースもあります。重要度の高い顧客には対面フォローを行う一方で、幅広い見込み顧客へはオンラインでアプローチするなど、状況に応じた柔軟な戦略が求められます。

マーケティングや他部門と連携しながら情報を共有し、最適なセールスモデルを構築していくことが成功のカギとなります。

インサイドセールスにおいて特に重要なのが、リード獲得後の即座対応です。エンSXでの検証結果によると、リード獲得から90秒以内にコールした場合のコンタクト率は59.18%、3分以内では47.69%、3分以降では20.51%となっており、90秒以内と3分以降では38ポイントもの差が生まれています。3分を過ぎるとコンタクト率が一気に半減してしまうため、1秒でも早いアプローチが成果に直結することが明らかです。
 
この即対応を実現するには、マーケティング部門との密接な連携が不可欠です。リード情報がリアルタイムで共有される仕組みや、有効リードの判別基準、過去の接点履歴の確認プロセスを整備することで、見込み顧客の温度感が最も高い状態でのコンタクトが可能となります。マーケティングとインサイドセールスが一体となって運用することで、高いコンタクト率と商談化率を維持できるでしょう。
 
インサイドセールス組織が成果を出す方法についてはこちらの資料で詳しく解説しています。無料ダウンロードでご参照ください。

インサイドセールスの導入ステップとツール活用

実際にインサイドセールスを導入する際の基本的なステップと、活用すべきツールを紹介します。

導入にあたっては、まず明確なミッションとターゲット顧客像を設定し、必要な人材やツールを準備することが重要です。そのうえで、KPIを設定しながら部門間の情報共有を円滑に行い、段階的に運用を改善していくことで成果を高められます。

立ち上げ方については以下の記事でも解説しているのでご参照ください。
インサイドセールスの立ち上げ方!成功を呼び込む5つの重要ポイント
 
また、こちらの資料では5STEP で解説しています。
無料ダウンロードできますので、ぜひご参照ください。



導入手順の基本

インサイドセールスを成功させるには、明確な目標を設定し、必要となるプロセスを具体的に洗い出すことが鍵となります。また、スタッフの配置や教育、KPIの策定、ツールの導入など、複数のステップを並行して進めるケースが多いため、プロジェクト管理の観点も欠かせません。

ミッションの設定とターゲット顧客の選定

はじめに、インサイドセールス導入の目的やゴールを明確化し、自社の商材特性を踏まえたターゲット顧客を定義します。ターゲット顧客像を明確にすることで、マーケティング活動や営業アプローチの方向性がぶれにくくなり、効率的な商談獲得につながります。

人材配置と教育・トレーニング

インサイドセールス担当者には、オンラインでの顧客対応に適したコミュニケーションスキルやツール活用能力が求められます。新人研修や継続的な勉強会を開催し、スキルと知識を定期的にアップデートすることで、チーム全体の品質を底上げし、顧客満足を高めることができます。

スクリプトの準備

トークスクリプトとは、営業担当者が顧客との会話で使用する台本や話の流れを事前に整理したものです。インサイドセールスでは、電話やオンライン会議での限られた時間内で効果的なコミュニケーションを行う必要があるため、適切なトークスクリプトの準備が成果に大きく影響します。


トークスクリプトについては、以下の記事で解説していますのでご参照ください。
インサイドセールスで重要なトークスクリプトとは?成果につながる作成例


 トークスクリプトがもたらすメリットは主に3つあります。まず「営業トークの質を標準化できる」点で、実績を上げている営業担当者の会話の流れや切り返し方を型化し、組織内で共有することで属人化を防げます。次に「営業トークを客観的に評価・改善できる」効果があり、顧客に断られやすいパートを特定してピンポイントで改善が可能です。さらに「新人教育に有効活用できる」ため、経験が浅い担当者でも成功体験を得やすくなります。
 
インサイドセールス用トークスクリプトの作成手順と改善例について、以下の資料で詳しく解説しています。無料ダウンロードでご参照ください。
https://sales.en-sx.com/downloadlist/IStalk

KPI設定と部門間の情報連携

どのような指標を重視するかを明確にし、目標数値を設定しておくと、進捗状況の把握や取り組むべき課題の抽出が容易になります。

また、マーケティングやフィールドセールスなど、他の部門とも情報を共有し合うことで、見込み顧客を適切なタイミングで引き渡す活動がスムーズに行えるようになります。

活用ツールの種類と例

インサイドセールスを円滑に行うためには、顧客情報を管理するCRMや、メール配信を自動化するマーケティングオートメーションなど、複数のツールを使いこなす必要があります。

これらのツールを連携させることで、顧客データの一元化や効率的なアプローチが可能になり、営業成果の向上につながります。

CRM(顧客関係管理)

CRMを活用することで、顧客の基本情報や過去の商談履歴、対応状況を一括で管理できます。すべてのコミュニケーションを記録し分析することで、担当者が変わってもデータが途切れず、組織全体で顧客に対する一貫した対応を行いやすくなります。

マーケティングオートメーション(MA)

見込み顧客のニーズや興味を段階的に高めるナーチャリングプロセスを自動化できるツールがMAです。メール配信やスコアリング機能などを駆使することで、適切なタイミングでアプローチを行い商談化の確度を高めることができます。

オンライン会議ツールやチャットツール

電話だけでなく、リモート会議で顧客の表情を見たり画面共有をすることで、より対面に近いコミュニケーションを実現できます。チャットツールを併用することで素早い連絡やフォローアップが可能となり、商談機会の創出や契約率向上に直接つながるケースも多いです。

インサイドセールスの未来と可能性

最後に、今後のインサイドセールスの展望とビジネスへの影響を考察します。

働き方の多様化やデジタル化が進む中、オンラインによる営業手法は今後さらに拡大していくと考えられます。

人材不足の解消や業務効率の向上といった社会的課題にもアプローチできるため、インサイドセールスの導入はさまざまな企業にとって必須の選択肢になるでしょう。

働き方改革とリモートワークの影響

リモートワークの普及によって、場所に縛られずに働くスタイルが一般的になっています。インサイドセールスはリモートワークと非常に親和性が高いため、働き方改革の一環として導入が急速に進む可能性があります。

また、オンラインで完結できる営業モデルは多国展開にも対応しやすく、グローバルビジネスの発展にも寄与すると期待されています。
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BtoB営業におけるインサイドセールスの重要性

BtoB営業は検討に関わるステークホルダーが多く、意思決定に時間がかかりやすい傾向があります。インサイドセールスを導入することで、関係者全員と効率よくコミュニケーションを取り、必要な情報をスピーディーに共有できる利点があります。

特に大企業や海外企業との取引において、インサイドセールスの活用が商談の回転率や受注率を大きく左右することになるでしょう。

まとめ:効率的営業の新潮流を理解する

インサイドセールスは、オンラインツールを活用し対面を減らしながら顧客との関係構築と商談機会の創出を効率化する営業手法です。コロナ禍の影響やDX推進により、注目と導入が急速に進んでいます。

ただし、人材育成や適切なKPI設計など運用面での課題を抱えやすく、単なるツール導入で終わらせない運営体制づくりが重要です。成果につなげるには、営業プロセス全体の“構造設計”を行い、組織的にPDCAを回せる仕組みを築くことが不可欠です。

成果が出る“型”を営業組織にインストール



エンSXは、構造設計を軸に営業組織の立ち上げ支援から内製化、運用代行までトータルにサポートします。人材育成ノウハウと標準化された業務フローを組み合わせ、再現性の高い営業成果を実現します。

支援領域

支援内容の例

再現性を高める仕組み化

営業立ち上げ支援

SDR・BDR体制の構築

スクリプト/管理設計の標準化

内製化支援

業務フロー・ツール設計

属人化しないオペレーション整備

代行・運用支援

現場での実行代行

KPI連動型で継続改善


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監修:鈴木
監修:鈴木
エンSX株式会社 インサイドセールス責任者

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