
二次架電とは?商談化率を最大化する実践メソッドと成功企業の共通点
はじめに:インバウンドだけで商談が頭打ちになっていませんか?
近年、多くのBtoB企業、とくにSaaS・ITサービス・BPO企業では、広告やSEO、ウェビナーなどのインバウンド施策だけでは商談創出が頭打ちになるケースが増えています。
営業組織の拡大や採用が追いつかず、限られたリソースの中で“質の高い商談”を安定的に増やしたいというニーズは、ほぼすべての企業に共通する悩みです。
その状況を打破する手段として注目されているのが、「二次架電モデル」です。
二次架電とは、単なるテレアポや一次架電とは違い、すでに何らかの接点や関心があった見込み顧客に対して、専任のインサイドセールスまたは代行チームが再度アプローチし、商談化率を最大化するアプローチ手法のこと。
本記事では、
- 二次架電の正しい定義
- なぜ今BtoBで必要なのか
- 実践のための構築ステップ
- 成果を最大化する運用ポイント
- 具体的な成功事例
を網羅的に解説します。
あなたの営業組織でもそのまま使える“攻めの商談創出モデル”として、ぜひ参考にしてください。
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二次架電とは?一次架電との明確な違い
二次架電の定義
「二次架電」とは、既に一次架電でアプローチ済み、もしくは何らかの反応・関心を示した見込み顧客を対象に、再度架電を行うプロセスを指します。
一次架電は「潜在層や広めリストへの初回アプローチ」であるのに対し、二次架電は「リアクションあり/過去接触ありの“温度のやや高い層”への再アプローチ」。見込み精度を高め、商談化や案件化の確度を高めるのが目的です。
つまり二次架電とは、「量」ではなく「質」で戦うアウトバウンドモデルです。
一次架電と二次架電の違い(比較表)
項目 | 一次架電 | 二次架電 |
目的 | リード発掘・興味喚起 | 商談化・ニーズ深掘り・後押し |
アプローチ対象 | 広いリスト(未接触含む) | 「反応あり」「興味あり」「後日連絡希望」などのリスト |
トークのトーン | 認知・説明中心(ライト) | 課題/ニーズ深掘り |
成果指標 | 接続率・リアクション率 | 商談化率・案件化率・受注率 |
必要スキル | 電話基礎スキル | BtoBヒアリング力・課題整理力・折衝力 |
なぜ二次架電が成果につながるのか
- 一次架電で拾い切れなかった「興味はあるがまだ温度が低い」層に対して、改めてタイミングを合わせて会話することで、関心が顕在化するケースが多い。
- BtoBでは、初回接触だけでは見えづらい「導入背景」「社内決裁プロセス」「予算タイミング」「ニーズの本質」があり、会話による深掘りが有効。
- また、既に関心を示した相手へのフォローは非常に効率が良く、コスパの良い商談創出手段。
二次架電が必要とされる理由
一次架電だけでは取りこぼす“半興味層”
多くのBtoB企業が一次架電で大規模にリストをコールするものの、接触率やリアクション率が低く、商談化につながりにくい――という問題を抱えています。
その結果、商談数が安定せず、一部の“反応良好”な顧客に頼る形になってしまい、新規開拓が難航。このような状況では、「すでに何らかの関心を示していたが、タイミングや条件が合わず、保留になっていた」見込み客 に対して、再度丁寧にアプローチする二次架電が非常に有効です。
MAでは拾えない“導入背景”を会話で深掘りできる
MAやWeb行動データで取得できるのは主に行動履歴やスコアリングですが、BtoBの導入判断には、
- 社内稟議の有無・決裁者の構造
- 予算時期
- 現状の課題の“本質”
- 他サービスとの比較状況
など、「人との会話」でしか見えない情報が重要です。二次架電ではこうした“背景情報”をヒアリングできるため、商談化後の質が高まりやすくなります。
BtoB特有の“検討プロセスが二段構造”という事情
BtoB商材は、
- ニーズの認知 → 興味(リード)
- 課題認識の深掘り → 導入意思決定
というステップを踏むことが多く、1回の接触では、なかなか商談に結びつかないことも多いです。
二次架電は、この2段構造の“深い検討フェーズ”にうまく介入する手法であり、BtoBならではの営業構造に非常によくフィットします。
二次架電の成功率を高める3つの要素
① 正しい対象設計:Tier分けと温度感評価
二次架電を成功させるためには、対象へ無差別にコールするのではなく、ステータス設計とセグメント分けが重要です。
▼リストを分類する際の例
Tier A | 直近でリアクションあり・資料請求済み・課題コメントあり |
Tier B | 過去接触あり・要検討・予算時期未定 |
Tier C | 古いリード・反応薄・温度不明 |
このように分けて、まずは Tier A → Tier B の順でアプローチすることで、効率よく商談化を狙えます。
② 適切なタイミング:1st call後24~72時間以内の再アプローチ
一次架電でリアクションがあったタイミングから、24時間〜72時間以内に二次架電を行うのが理想。
時間をあけすぎると関心が薄れたり、他サービス検討に進んでしまったりする可能性があります。また、即フォロー体制を取れるかによって成果に差が出ます。
③ 背景理解に基づくトーク設計:文脈読解力がカギ
二次架電では、単なる「再確認の電話」ではなく、前回のやり取り内容+企業背景+導入可能性を踏まえた会話が必要です。
「どんな課題を抱えているか」「なぜ導入を検討し始めたか」「社内導線はどうか」「時期はいつか」などを丁寧にヒアリングすることで、商談化率は大きく上がります。
二次架電のKPIと成果指標
指標 | 内容 |
二次架電実施数 | コール数ではなく“明確な対象に対する二次フォロー数” |
接続率 | 二次架電における連絡成功率 |
商談化率 | 二次架電 → 商談アポ取得率 |
案件化率 | 商談 → 案件化率(提案数・見積もり提示数など) |
成約率/受注率 | 最終成約数/二次架電商談数または全体リード数に対する割合 |
CAC(顧客獲得コスト) | 架電コスト/獲得顧客数でのコスト評価 |
重要なのは、「ただコール数を増やす」ことではなく、「効率よく・確度の高い架電 → 商談化 → 受注」 を追う設計です。
また、一次架電 → 二次架電 → 商談 → 案件化の歩留まりを可視化することで、どこにボトルネックがあるか明確になり、改善サイクルを回しやすくなります。
よくある失敗と改善策
テレアポの延長になってしまう
→ 二次架電を「ただの再アプローチ」だと捉え、浅い会話で終わらせてしまう。
▼改善策
必ず“課題深掘り+背景確認+意思決定タイミングの確認”をする。再アプローチは“商談化を目的とした会話”であると位置づける。
トークが“認知・説明型”のまま
→ 一次架電と同じ内容を繰り返し、温度の高いリードに刺さらない。
▼改善策
二次架電専用のスクリプトを用意し、「なぜ今導入を検討しているのか」「どんな課題があるのか」「決裁プロセスは?」など、深掘りする質問項目を入れる。
次アクション(フォロー)が曖昧
→ 架電後すぐ何もせず、温度が下がってしまう。
▼改善策
架電後に「資料送付」「リマインドメール」「フォローコール予定」など、次のアクションを明確に設定する。
ログが浅く、PDCAに活かせない
→ 架電履歴しか残らず、背景や検討状況の情報が抜けている。
▼改善策
CRM/SFAに「課題内容」「意思決定者」「検討時期」「予算感」「懸念点」などを必ず記録。定期的にレビューとフィードバックを実施する。
実例:hacomono社の二次架電モデル導入(商談数240%増)
二次架電モデルを活用しながら、弊社でご支援した事例を見てみましょう。
課題:インバウンドだけでは商談数が頭打ち
同社は、フィットネス施設向けの管理システムを提供する企業です。もともとWeb経由でのリード獲得に依存していましたが、リード数の伸びが鈍化。さらに、営業部門やインサイドセールスを拡大する余力がなく、新たな商談創出の方法を模索していました。
施策:二次架電モデルの導入+外部支援活用
- 一次架電でのリアクションリストを精査 → “二次架電対象リスト”を作成
- 二次架電専用のスクリプト設計とヒアリング体制構築
- Salesforce でステータス管理および架電ログ記録体制を整備
- 架電 → 商談アポ取得 → 営業部門へトスアップの分業モデル構築
結果:初月で商談数が 約240%増加
- 商談の質はインバウンド由来とほぼ同等レベル
- フィットネス分野以外でも問い合わせや商談が発生し、新たな市場開拓のきっかけに
- インサイドセールス部門を拡張せずに、既存リソースと代行の組み合わせで短期間に成果を出すことに成功
この実例は、二次架電が単なる“補助”ではなく、BtoBの商談創出の主要ドライバーになり得ることを示しています。
二次架電が向いている企業/向かない企業
向いている企業の特徴
- Web経由・インバウンドだけでは商談数に限界を感じている
- 営業リソースが限られていて、内製での拡大が難しい
- 過去リードやリアクション履歴がある程度蓄積されている
- 製品やサービスの認知度が一定あり、比較検討フェーズが多い
向かない/注意が必要なケース
- リードリストやリアクション履歴がほとんどない(つまり“冷えたリスト”しかない)
→ 二次架電対象が存在しない/質が担保できない可能性 - 商談化後の営業体制・提案力が弱く、トスアップ先が整っていない
→ 商談化しても受注につながらずコストばかりかかるリスク - トークスキルやヒアリング力が未成熟
→ 二次架電にともなう“深掘り会話”ができず、効果が低い
まとめ:二次架電で商談化率を伸ばすなら、プロのサポート活用が近道
二次架電は、BtoBにおいて、インバウンドや一次架電だけでは届きづらい「潜在ニーズ層」や「半興味層」を掘り起こし、 商談化・案件化を効率よく増やす非常に有効な手法です。
ただし、うまく運用するには、
- 対象リストのセグメント設計
- 深掘りトークの設計
- 架電後のフォロー体制
- CRM/SFAによるデータ管理
といった設計が不可欠。単なる“コールの再実行”では成果は出ません。
- 営業リソースに余裕がない
- 商談数を安定的に増やしたい
- 過去リードや反応履歴を活用しきれていない
といった課題を抱えているなら、エンSXのインサイドセールス支援サービスが力になります。
一次架電〜二次架電〜商談化までトータルで設計・実行をサポートし、貴社にとっての最適なアウトバウンドモデルを一緒に構築します。まずは現状分析/リスト診断から。お気軽にご相談ください。
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