
バイヤーイネーブルメントとは|BtoB営業を変える“買いやすさ設計”の新戦略
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バイヤーイネーブルメントとは何か
バイヤーイネーブルメント(Buyer Enablement)とは、「買い手が購買をスムーズに進められるよう支援する仕組み」のことを指します。
従来の営業活動が「いかに自社の価値を伝えるか」に焦点を当てていたのに対し、バイヤーイネーブルメントは「顧客が判断しやすい状態をつくること」を目的としています。
Gartner社の調査によると、BtoB購買では平均6〜10人の意思決定者が関わり、購買プロセスの約60%は営業との接触前に完了しているといいます。
つまり、営業が動くよりも前に、顧客側の「社内での理解形成」が勝敗を分けているのです。
比較項目 | セールスイネーブルメント | バイヤーイネーブルメント |
主体 | 営業担当者 | 顧客(購買担当者) |
目的 | 営業効率の最大化 | 購買判断の支援 |
提供物 | 営業資料・スクリプト | 比較表・ROI試算ツール・導入事例集 |
成果指標 | 商談件数・提案数 | 購買決定率・導入スピード |
なぜ今、BtoBで「バイヤーイネーブルメント」が注目されるのか
情報過多の中で、顧客は“選べない”
Forresterの調査によると、BtoB購買担当者の68%が「情報が多すぎて判断が難しい」と回答しています。
SaaSやITサービスが急増する中で、バイヤーは「どの選択が正しいのか」見極められず、検討が停滞する傾向が強まっています。
意思決定プロセスが複雑化している
購買の現場では、経営層・事業責任者・情報システム部門など、複数の関係者が関与します。Gartnerが定義する「Buying Jobs」(購買における6つの課題)は以下の通りです。
購買の6つの課題(Buying Jobs)
- 課題を特定する
- 解決策を探索する
- 要件を定義する
- ベンダーを比較・選定する
- 社内承認を得る
- 導入を支援する
この一連のプロセスを、営業がすべて主導することは現実的ではありません。だからこそ、バイヤー自身が社内で“正しく説明できる状態”を支援することが求められています。
バイヤーイネーブルメントの3つの実践アプローチ
① 適切な情報を「タイミング」で届ける
営業が「全部の資料を一度に渡す」のは非効率です。重要なのは、バイヤーの検討ステージに合わせて、最適な情報を必要な瞬間に渡すこと。
有効な支援資料 |
業界レポート、診断チェックリスト |
機能比較表、導入事例 |
ROI算出シート、稟議資料テンプレート |
たとえば、営業担当が「次回稟議のためにこれを使ってください」と社内提案用の資料を添えるだけで、商談停滞率が劇的に下がることもあります。
② 「失敗したくない心理」に寄り添う
購買担当者の多くは、“導入後に失敗したくない”という不安を抱えています。
ハーバード・ビジネス・レビューによると、検討が長期化する最大の要因は「リスクへの不安」だとされています。営業側は、この心理負荷を下げる支援を意識することが重要です。
不安要素 | 解消のための施策 |
導入効果が見えない | 成功事例・ROIシミュレーションを提示 |
他社事例がわからない | 同業・同規模企業の事例共有 |
初期導入が不安 | スモールスタートプランを提案 |
③ デジタルツールで「顧客主導の購買」を支援
MA(マーケティングオートメーション)や営業支援ツールを活用することで、購買担当者が自走できる仕組みを構築することが可能です。
ツールカテゴリ | 役割 | バイヤー支援の効果 |
MAツール | 行動履歴・スコア管理 | 最適な情報を自動で配信 |
コンテンツポータル | 資料集約・共有 | 資料探しの手間を軽減 |
ROI試算ツール | 定量的根拠の提示 | 稟議通過率の向上 |
成果を出すための実践ステップ
1.購買行動の可視化
購買担当者がどのステップで止まるのかを分析。
2.ペルソナの定義
意思決定者・利用者・推進者の課題を明確に。
3.購買支援コンテンツの整備
検討資料・比較表・ROIツールを体系化。
4.営業・マーケ・CSの連携
一貫した顧客体験を支える社内体制を構築。
5.KPIの設定と改善
商談化率、受注率、リードタイムを継続計測。
エンSXによる「実践的バイヤーイネーブルメント支援」
当社 「エンSX」 は、BtoB企業向けにインサイドセールス支援を中心とした営業DXを展開しています。
単なるアポイント獲得代行ではなく、「購買プロセスを設計し、顧客が社内で意思決定しやすくする仕組み」を共に構築する点が特徴です。
支援領域 | 具体内容 |
バイヤー理解 | 意思決定構造・稟議フローの可視化 |
情報設計 | ステージ別に最適化した支援資料の整備 |
データ活用 | 行動データに基づくフォロー設計 |
営業組織支援 | IS・FS間の連携強化による商談率向上 |
エンSXでは、単に“売る仕組み”をつくるのではなく、“買ってもらえる状態”を設計することを重視しています。実際に導入企業では、リードの質向上や商談進行スピードの改善といった成果が評価されています。
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まとめ|営業が「説得する」時代から、「購買を支援する」時代へ
バイヤーイネーブルメントは、営業効率化ではなく、顧客の意思決定支援を目的とした新しいBtoB戦略です。
これまでのように“営業が主導する”のではなく、“バイヤーが社内を説得しやすい環境を提供する”ことが、成約を生む最大の要因となっています。
エンSXは、その実践を現場レベルで支援するパートナーとして、 顧客の「買いやすさ」をデザインするお手伝いをしています。 営業活動の成果を本質的に高めたい企業は、「購買支援」視点の変革から始めてみてはいかがでしょうか。
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