
インサイドセールスの手紙施策でアポイントを獲得する手順とノウハウ
インサイドセールスでは、電話やメールなどを使って非対面で営業活動を行ないます。しかし大手企業の上層部など、決裁権限を有する人物にいきなりアプローチをかけるのは、なかなか難しいものです。
人からの紹介以外の方法で、決裁権限を有した上層部へアプローチするには、手紙施策が有効となります。インサイドセールスにおいて、手紙施策は大手企業を開拓できる可能性が高くなる重要な営業手段なのです。
本記事では、インサイドセールスの手紙施策について解説します。手紙が重要な理由や活用手順、手紙施策を成功させるノウハウなどを紹介しますので、顧客へのアプローチ方法にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
目次[非表示]
- 1.インサイドセールスで手紙が重要な理由
- 1.1.ターゲット企業の上層部にアプローチできるため
- 1.2.成功のリターンが大きいため
- 2.インサイドセールスで手紙を活用する手順
- 2.1.送付するターゲットを絞る
- 2.2.手紙を作成して送付する
- 2.3.フォローコールを行なう
- 3.手紙施策のよくある失敗と注意点
- 3.1.成果が出ずにすぐやめてしまう
- 3.2.手紙をやみくもに送付してしまう
- 3.3.フィールドセールスと連携がとれずアポイントが無駄になる
- 4.手紙施策を成功に導くノウハウ
- 4.1.期間を空けて複数回アプローチする
- 4.2.キーマンを特定してアプローチする
- 4.3.自社の認知度を向上させる
- 5.まとめ:上層部への効果的なアプローチ法
インサイドセールスで手紙が重要な理由
<監修コメント>
デジタルが主流となった今だからこそ、手紙というアナログ施策がインサイドセールスで注目されているのは、接触手段の差別化と“記憶に残る体験”を創出できる点にあります。メールや電話、オンライン面談が当たり前の中で、あえて手紙を使うことで顧客の印象に残りやすくなり、「数ある営業の中で覚えてもらう」効果が期待できます。また、手紙は一方的な提案ではなく、「本当に伝えたいこと」や「感謝」「応援」といった感情的価値を届ける手段として優れています。とくに決裁者層や情報過多に疲れた層に対しては、静的で丁寧な手紙のトーンが好印象につながるケースも多く見られます。さらに、商談の前後やリード温度が下がったタイミングで“手書きの一言”を添えることで、再度の接点や心理的な距離の縮小が可能になります。手紙はデジタル施策の補完ではなく、非デジタルゆえの独自性を活かす“戦略的なコミュニケーション資源”として位置づけるべきです。
インサイドセールスの手紙施策は「CXOレター」とも呼ばれ、大手企業の決裁者や役職者などの上層部へアプローチする手法として重要視されています。
CXOレターは、顧客リストに一括で郵送する営業ダイレクトメール(DM)とは、意味合いが異なります。ターゲット企業の上層部に向けて、1通ずつカスタマイズした手紙を送付し、的確にアプローチを図っていく手法です。
しかし「IT技術が普及している時代に、手紙が重要なのはどうして?」と疑問に感じる方もいらっしゃるでしょう。まずは、インサイドセールスにおいて手紙施策が重要な理由をご説明します。
ターゲット企業の上層部にアプローチできるため
インサイドセールスは、電話やメールなどを用いて非対面で行なう営業活動のこと。現場担当者へアプローチを図り、顧客関係を育成して、商談へつなげるのが一般的な流れです。
しかし自社の商材が高額だったり、組織のマネジメント層に提案しなければ価値がわからない商材だったりする場合、現場担当者へアプローチし続けても、望んだ営業成果は得られないでしょう。
そういった場面で、手紙を活用してターゲット企業の上層部へアプローチをかけるCXOレターが有効となります。企業の上層部といきなり電話したり、アポイントをとったりするのは難しくても、手紙であれば目を通してもらえる可能性があります。
成功のリターンが大きいため
前述の通り、手紙施策はターゲット企業の上層部へアプローチできる営業手法です。現場担当者に比べると決裁権限が大きいため、スピード受注できる可能性が高くなります。
特に、組織規模が大きく資金力のあるエンタープライズ企業の上層部へアプローチが成功した場合、高額な商材を長期的に受注できる可能性が高まるでしょう。
一般的に手紙施策は、成果が出るまで長期間を要するケースが多い手法ですが、成功した際のリターンが大きいため、時間をかける価値は十分あるといえます。
インサイドセールスで手紙を活用する手順
続いて、インサイドセールスで手紙施策を活用するときの手順を解説します。手紙施策は、以下の手順に沿って進行しましょう。
送付するターゲットを絞る
CXOレターはやみくもに送付しても効果が出ないため、ターゲットの絞り込みが重要です。営業ターゲットの絞り込みは、以下のステップで行ないましょう。
▼自社商材がディープサクセスにつながる顧客セグメントを調査・分析する
▼顧客セグメントから手紙施策のターゲット企業を選定する
▼ターゲット企業のなかで決裁権限をもつキーマンを調査・特定する
まず、自社商材と親和性が高い業界や企業について調査し、営業ターゲットを選定します。
ポイントは「ディープサクセス」、つまり「顧客の経営にサクセスをもたらせる」ターゲットを考えることです。上層部にアプローチすることになるため、関心が高い「経営」にまで好影響与えられる顧客セグメントを考えることが大切になります。
手紙施策のアポイント獲得率は、一般的に3%程度です。アポイント1件あたり30~40社程度の送付先が必要になる点を念頭に置き、ターゲット企業をリストアップしましょう。
ターゲット企業を選定したら、意思決定権や決裁権のあるキーマンを調査・特定します。キーマンの担当部署や役職だけでなく、名前まで特定し、バイネームで送付できるよう事前調査しましょう。
手紙を作成して送付する
営業ターゲットを絞り込んだら、実際に手紙を作成して送付します。CXOレターを作成するときは、ターゲットに合わせて内容を1通1通カスタマイズしましょう。パーソナライズされた内容にすることで、最後まで目を通してもらえる可能性が高くなります。
CXOレターの構成内容は、ビジネスレターのルールに則りつつ、以下の流れにするのがおすすめです。
項目 |
概要 |
1.時候の挨拶
|
季節に合わせた時候の挨拶を入れる |
2.手紙を送付した理由・商材の価値
|
冒頭で手紙を送付した理由・商材が提供できる価値を説明し、「手紙を読むべきメリット」を提示する |
3.送付元の情報
|
以下のように、手紙の送付元企業(自社)の情報を書く |
4.結びの言葉
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まとめの文章を入れて手紙を締める |
CXOレターを書くときは、冒頭で「手紙を送付した理由」と「自社商材が提供できる価値」を提示することが大切です。手紙を受け取った人に、「なぜ今この手紙を読む必要があるのか」を明示すると、目を通してもらえる確率が上がるからです。
以下の例のように、ターゲット企業のホームページや採用サイトを閲覧したり、現場担当者とアポを取ってミーティングしたりして得た情報を組み込むと、キーマンの関心を惹きつけやすくなるでしょう。
▼手紙を送付した理由・商材が提供できる価値の例 |
|
また手紙に特別感を出し、ほかの郵便物と差別化するため、以下のような工夫を施すのも効果的です。
・手紙を高級感のある和紙封筒に入れて郵送する
・宛名書きを達筆な人に依頼して筆ペンで手書きする
・商材の特徴や自社の情報を説明するときに具体的な数字を使う
(○○を40%削減した・○○の収益が30%向上した……など)
・手紙の宛先と役職を合わせて、同等の役職者から手紙を送付した体裁にする
(ただしアポイントが取れた際、きちんとその場に同席できる役職者の名前を使う)
フォローコールを行なう
手紙を郵送したら、フォローアップのため電話連絡しましょう。キーマンにフォローコールした方が、アポイントを獲得できる確率が高くなります。
フォローコールのタイミングは、手紙を郵送してから2~3営業日後が目安です。しかし、企業の上層部は基本的に多忙なので、1回きりの電話では繋がらないことがほとんど。最低でも3~4回程度はフォローコールする必要があります。
フォローコールするときは、「なぜ手紙を送ったのか」「話を聞くメリットは何か」を短い時間で端的に伝えられるようにしましょう。
手紙施策のよくある失敗と注意点
<監修コメント>
手紙施策を効果的に活用するためには、“丁寧さ”や“特別感”を届けるという本来の目的を見失わない設計が必要です。失敗事例でよくあるのは、テンプレート文面をそのまま複数人に送ってしまい、受け手に“量産感”を与えてしまうケースです。また、フォントや印刷形式によっては、手紙の良さである“人の温度”が感じられず、逆に無機質な印象を与えることもあります。さらに、営業目的が前面に出すぎてしまうと、受け手は警戒心を抱き、せっかくの施策が逆効果になる可能性もあります。避けるべきは“営業感が強すぎる内容”と“個別性の欠如”です。たとえば、「〇〇の件について御礼申し上げます」「以前お話しした△△に関連し、ご提案がございます」など、過去の接点や顧客の関心に触れる一文を入れるだけで、印象は大きく変わります。手紙施策は、営業色を抑えつつ人間味を伝えるコミュニケーションであり、戦略的に“想い”を届ける姿勢が信頼醸成の鍵を握ります。
続いて、手紙施策のよくある失敗と注意点を3つ解説します。以下の3点を念頭に置いておくと、失敗する可能性を下げられるでしょう。
成果が出ずにすぐやめてしまう
基本的に手紙施策は、成果が出るまでに時間がかかるものです。営業ターゲットの選定・キーマンの特定・手紙の作成・フォローコール・商談機会の獲得といった流れの全工程に時間と労力がかかるため、一朝一夕で成果が出るわけではありません。
加えて、商談機会の獲得から受注までには、さらなる時間が必要となります。長期的な施策であることを理解し、すぐにやめないよう注意しましょう。
また、手紙施策を行なうときは「長期間かかったとしても成功したときのリターンが大きい企業」だけに的を絞ることが大切です。
手紙をやみくもに送付してしまう
先に述べたようにCXOレターは、顧客リストへ手紙を一括送付する営業ダイレクトメールとは性質の違う施策です。
ターゲティングをしっかりと行ない、自社商材と親和性が高く、受注時のリターンが大きい企業の上層部へアプローチする必要があります。手紙をやみくもに送付しても、成果につながる可能性は低いので注意しましょう。
やみくもに手紙を送付し、相手から「もう送らないでほしい」と要望されると、せっかく選定した貴重なリストが減ってしまいます。CXOレターを送付するときは内容をパーソナライズし、「送るべき相手に・送るべき内容を」届けるようにしましょう。
フィールドセールスと連携がとれずアポイントが無駄になる
インサイドセールスの施策全般に言えることですが、フィールドセールスとの連携は欠かせません。手紙施策で商談機会を獲得したとしても、フィールドセールスとの連携がとれていなければ、商談がうまく進まない可能性があるからです。
せっかく獲得したアポイントを無駄にしないためにも、インサイドセールス担当とフィールドセールス担当でしっかりと情報共有し、普段から連携を深めておくようにしましょう。
実践に役立つ手紙施策資料をお届けします
手紙を活用した施策は効果的な手法ですが、ターゲット選定から作成、送付、そしてフォローアップまで、各段階での工夫が成果を左右します。
「成果を出すための具体的な方法を知りたい」「成功パターンを身につけたい」という方に向けて、実践的なノウハウをまとめた資料をご用意しました。
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👉 インサイドセールスの手紙施策
手紙施策を成功に導くノウハウ
最後に、手紙施策のノウハウを3つ紹介します。次の3点を押さえておくと、手紙施策でアポイントを獲得できる可能性が高くなるでしょう。
期間を空けて複数回アプローチする
手紙施策は1回のアプローチだけで成功か否かを判断せずに、複数回アプローチすることが大切です。ターゲット企業の情報を常に収集しておき、「決算前の多忙な時期ではないか」など送付するタイミングも計りながら、何回かアプローチしましょう。
しかし、短いスパンで何度も手紙を送るのはおすすめしません。相手からアプローチを禁じられてしまう恐れがあるので、「初回の手紙送付から2~3ヶ月後に再アプローチする」という具合に、ある程度は間を空けて送付しましょう。
キーマンを特定してアプローチする
手紙施策をするときは、ターゲット企業の意思決定権や決裁権を有する、キーマンを特定してアプローチすることが重要です。キーマンとなる人物の名前・担当部署・役職名などを細かく調査し、ピンポイントで手紙を送付できるよう準備しましょう。
キーマンへのアプローチが成功し、商談機会を獲得できれば、現場担当者だけでは決済できない高額商材の受注につながる可能性が高くなります。
企業ホームページなどWeb上の情報を見るだけでなく、既存顧客リストのなかに「ターゲット企業と関わりのある会社はないか」「ターゲット企業と関わりのある人物はいないか」なども詳しく調べて、キーマンを特定しましょう。
自社の認知度を向上させる
自社の認知度を向上させると、手紙施策を行なった際のアポイント獲得率が高くなる傾向があります。社名や商材名があまり知られていない企業と、広く知れ渡っている企業では、後者の方が営業ターゲットから関心を持ってもらえる可能性が高いのです。
CXOレターなどの営業施策を行ないつつ、以下のような認知度向上の取り組みも、並行して実施しましょう。
・有名人を使ってCMを打つ
・展示会やイベントへ出展する
・自社商材をトレンドと絡めて広報する
・SNSやサイト運営などを通して情報発信する
まとめ:上層部への効果的なアプローチ法
インサイドセールスにおける手紙施策は、決裁権を持つ企業の上層部へ直接届くため、受注までのスピードや成果が期待できる重要な営業手法です。ターゲットの選定から手紙の内容設計、フォローコールまで一連のプロセスを構造的に設計し、継続的に取り組むことが成功の鍵となります。
ただし、手紙施策は短期で結果を求めがちですが、成果が出るまでには時間がかかりやすい点が課題です。
そこで、単なる施策の実行に留まらず、「成果につながる仕組みづくり」という構造設計の視点で戦略を練ることが、安定的な営業成果を得るために欠かせません。
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