
営業のアプローチ手法13選
営業目標を達成するために、適切な営業アプローチを実施することは非常に重要です。見込み客を獲得し、顧客との良好な関係を築くために、新規顧客と既存顧客それぞれに適した営業アプローチ方法を理解しましょう。
この記事では、具体的な手法や成功のポイントをわかりやすく解説していきます。
目次[非表示]
- 1.営業アプローチとは?
- 2.営業アプローチを成功させるための準備
- 3.新規顧客への営業アプローチ方法
- 4.新規営業の注意点: 1:5の法則
- 5.既存顧客への営業アプローチ方法
- 5.1.定期訪問
- 5.2.定期点検
- 5.3.既存顧客限定キャンペーンの実施
- 5.4.定期的な情報提供
- 5.5.アップセル・クロスセル
- 6.営業アプローチがうまくいかない場合の対処法
- 6.1.ターゲットの見直し
- 6.2.アプローチ方法の見直し
- 6.3.ツールの活用
- 6.4.営業スキル向上のための研修
- 6.5.心構え
- 7.まとめ:成果に直結する営業設計
営業アプローチとは?
営業アプローチとは、企業が商品やサービスを顧客に販売する際、顧客との関係性を構築するための最初のステップです。
新規顧客に対しては、自社の商品やサービスを知ってもらい、購買意欲を高めることが目的です。既存顧客に対しては、継続的な取引やアップセル・クロスセルなどを目的として行われます。
営業アプローチは、顧客との信頼関係を築くための重要なプロセスであり、成約率向上に大きく影響します。
営業アプローチを成功させるための準備
事前準備をしっかり行うことで、営業アプローチの成功率は格段に向上します。
3C分析
Customer(顧客や市場): ターゲットとなる顧客層のニーズや購買行動、市場規模やトレンドなどを分析します。
Competitor(競合他社): 競合他社の製品やサービス、価格戦略、営業戦略などを分析し、自社との差別化ポイントを明確化します。
Company(自社): 自社の強みと弱み、製品やサービスの特長、価格設定などを分析し、顧客に提供できる価値を明確化します。
ターゲティング
業種、エリア、企業規模: 自社の製品やサービスと相性の良い業種、エリア、企業規模を絞り込みます。
ペルソナ設定でターゲットとなる顧客像を具体的に設定します。年齢、性別、役職、課題、情報収集方法など、詳細なペルソナを設定することで、より効果的なアプローチが可能になります。
営業リスト作成
リストには企業名、担当者名、役職、所属部署、電話番号、メールアドレス、最終アプローチ日などが記載されます。
効果的な営業リストの条件は情報が最新であること、重複データがないこと、設定したターゲットを前提としていることなどが必要です。
効果的なBDR施策を実行に移すために
営業アプローチの準備が整った後、多くの企業がつまずくのが「どのように実行するか」という点です。特に新規開拓型の営業(BDR)では、アプローチの質と運用設計が成果を大きく左右します。
効率的かつ成果につながるBDRの実践ノウハウを知りたい方は、ぜひ以下の資料をご活用ください。
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新規顧客への営業アプローチ方法
それぞれのアプローチ方法のメリットデメリットやコツを整理していきます。
テレアポ
メリット: 短時間で多くの顧客にアプローチできる、顧客の反応を直接確認できる、アポイント獲得に繋がりやすいなど。
デメリット: 顧客に嫌がられる場合がある、電話に出てもらえない場合がある、トークスキルが必要など。
コツ: 事前に顧客情報を収集しておく、トークスクリプトを作成しておく、断られても諦めずに継続するなど。
飛び込み営業
メリット: 顧客と直接会って話ができる、顧客の反応を直接確認できる、成約率が高い場合があるなど。
デメリット: 顧客に嫌がられる場合がある、受付で断られる場合がある、効率が悪い場合があるなど。
コツ: 訪問前に顧客情報を収集しておく、身だしなみを整える、断られても諦めずに継続するなど。
メール営業
メリット: 低コストで多くの顧客にアプローチできる、時間や場所を選ばずにアプローチできる、資料などを添付できるなど。
デメリット: 開封率や返信率が低い場合がある、迷惑メールフォルダに入ってしまう場合があるなど。
コツ: 件名に工夫を凝らす、パーソナライズされた内容にする、行動を促すCTAを付けるなど。
紹介営業
メリット: 信頼関係が築きやすい、成約率が高い、顧客獲得コストが低いなど。
デメリット: 紹介を依頼するのが難しい場合がある、紹介の質が保証されない場合があるなど。
コツ: 日頃から顧客との良好な関係を築く、紹介を依頼しやすい雰囲気を作る、感謝の気持ちを伝えるなど。
セミナー営業
メリット: 興味関心の高い顧客を集められる、自社の専門性をアピールできる、顧客との信頼関係を築きやすいなど。
デメリット: 準備に時間とコストがかかる、集客が難しい場合があるなど。
コツ: 顧客のニーズに合ったテーマを設定する、魅力的なコンテンツを用意する、集客活動を積極的に行うなど。
展示会営業
メリット: 多くの顧客にアプローチできる、自社の商品やサービスを実際に体験してもらえる、競合他社の動向を把握できるなど。
デメリット: 出展費用がかかる、準備に時間と手間がかかるなど。
コツ: 目的を明確にする、ターゲットに合わせたブース作りをする、効果的なプレゼンを行うなど。
SNS営業
メリット: 広範囲にアプローチできる、顧客との距離が近い、情報発信がしやすいなど。
デメリット: 炎上するリスクがある、運用に時間と手間がかかるなど。
コツ: ターゲットに合わせたSNSを選ぶ、有益な情報を発信する、顧客とのエンゲージメントを高めるなど。
ウェブサイトの問い合わせフォーム営業
メリット: 特定のキーパーソンや連絡先が不明でもアプローチ可能、企業の公式窓口を通じてコンタクトを取ることができるなど。
デメリット: 他の通信手段と比べて埋没するリスクがある、文字数制限がある場合が多い、ファイル添付ができない場合が多いなど。
コツ: 簡潔で要点を押さえたメッセージを作成する、相手の注意を引くような件名にする、送信前に誤字脱字がないか確認するなど。
新規営業の注意点: 1:5の法則
<監修コメント>
新規営業における「1:5の法則」は、新規顧客獲得コストが既存顧客維持の約5倍かかるという経験則を示し、戦略設計の基礎となります。この視点に立てば、新規開拓は単なる契約件数獲得ではなく、その後の関係構築とLTV最大化を目的にすべきと分かります。実務では、獲得後すぐにクロスセルやアップセルを見据えた提案準備を進め、オンボーディングを通じて利用定着を図ります。また、成功事例の共有やユーザーコミュニティ構築により、解約防止と紹介案件増加の好循環を作ることも有効です。短期的売上のみを追うと高コスト体質に陥る恐れがあるため、営業KPIも契約数だけでなく利用継続率や顧客推奨度などを組み合わせて設計します。新規営業は入口に過ぎず、利益を生むのは継続活用と信頼構築のプロセスであることを忘れてはなりません。
新規顧客の獲得には、既存顧客の維持に比べて約5倍のコストがかかると言われています。これは、新規顧客を獲得するためには、認知度向上のためのマーケティング活動や、信頼関係構築のための営業活動など、多くの費用と時間が必要となるためです。
既存顧客への営業アプローチ方法
定期訪問
メリット: 顧客との信頼関係を強化できる、新たなニーズを発見できる、アップセルやクロスセルに繋がるなど。
デメリット: 時間とコストがかかる、訪問頻度が多いと顧客に負担になる場合があるなど。
コツ: 事前に訪問目的を明確にする、顧客の都合に合わせて訪問する、有益な情報を提供するなど。
定期点検
メンテナンスが必要な商品やサービスを提供している場合、定期的に点検に伺う方法です。
メリット: 顧客との接点を維持できる、顧客満足度を高めることができる、トラブルを未然に防ぐことができるなど。
デメリット: 時間とコストがかかる、顧客に負担になる場合があるなど。
コツ: 点検内容を事前に顧客に伝える、点検結果を丁寧に説明する、顧客の要望をヒアリングするなど。
既存顧客限定キャンペーンの実施
メリット: 顧客満足度を高めることができる、購買意欲を高めることができる、優良顧客を維持することができるなど。
デメリット: 利益率が低下する可能性がある、顧客がキャンペーンに依存する可能性があるなど。
コツ: 顧客のニーズに合ったキャンペーン内容にする、キャンペーン期間を限定する、キャンペーンの効果を測定するなど。
定期的な情報提供
メリット: 顧客との接点を維持できる、顧客に有益な情報を提供することで信頼関係を築ける、自社の商品やサービスの認知度を高めることができるなど。
デメリット: 作成に時間とコストがかかる、顧客に飽きられる可能性があるなど。
コツ: 顧客のニーズに合った情報を提供する、読みやすい文章で作成する、配信頻度を調整するなど。
アップセル・クロスセル
メリット: 新規顧客獲得よりも低コストで売上拡大が可能、既存顧客との信頼関係を活かせる、顧客ニーズを深く理解できるなど。
デメリット: 顧客に不要なものを押し売りしてしまう可能性がある、顧客満足度を低下させてしまう可能性があるなど。
コツ: 顧客のニーズをしっかりヒアリングする、メリットを具体的に説明する、押し売りにならないように注意するなど。
営業アプローチがうまくいかない場合の対処法
<監修コメント>
営業アプローチが成果につながらない場合、やみくもな件数増加では改善しません。まずは、ターゲティング精度、提案内容の具体性、接触タイミングなど、プロセス全体を分解し課題を特定する必要があります。CRMや通話録音の分析を活用すれば、会話構成や反応ポイントの可視化が可能です。さらに、過去の成功事例を横展開し、自分の商談設計に反映することも重要です。BtoBでは意思決定関与者が複数いるため、1チャネル依存ではなく、メール・電話・SNSなど複合的な接点戦略が有効です。また、フィードバックループを短くし、小さな改善を継続的に積み重ねることが成果改善の鍵となります。改善は一度で終わらず、検証→修正→実行のサイクルを習慣化することで、再現性の高いアプローチモデルが構築できるでしょう。
営業アプローチは、必ずしも成功するとは限りません。うまくいかない場合は、以下のポイントを見直してみましょう。
ターゲットの見直し
設定したターゲットが適切でない可能性があります。市場調査や顧客分析を行い、ターゲットを再検討する必要があります。
アプローチ方法の見直し
利用している営業アプローチ方法が、ターゲットに合っていない可能性があります。他のアプローチ方法を検討したり、既存の方法を改善したりする必要があります。
ツールの活用
CRMやSFAなどの営業支援ツールを活用することで、営業活動を効率化し、成約率を高めることができます。
営業スキル向上のための研修
営業担当者に対して、営業スキル向上のための研修を実施することで、成約率を高めることができます。
心構え
営業活動は、常に挑戦の連続です。うまくいかない時こそ、前向きな気持ちで取り組み続けることが大切です。
まとめ:成果に直結する営業設計
記事では、新規・既存顧客に対する13種類の営業アプローチ手法と、それぞれの成功ポイントを紹介しました。
多様な手法がある一方で、成果につながらないアプローチに時間と労力を費やしてしまうという課題も見受けられます。
営業活動を再現性ある成果に変えるには、「やり方」だけでなく、戦略・設計・運用を含む“構造的な仕組みづくり”が不可欠です。
“アプローチするだけ”で終わらせない、成果につながる仕組みづくり
営業手法を選ぶだけでは成果は出ません。重要なのは、ターゲット設定からリスト整備、アプローチの型化、運用改善まで一貫した「構造設計」。
エンSXでは、構造支援・人材支援・再現性の高い運用ノウハウを掛け合わせ、成果を出せる営業活動を実現します。
支援領域 | 支援内容の例 | 再現性を高める仕組み化 |
営業立ち上げ支援 | SDR・BDR体制の構築 | スクリプト/管理設計の標準化 |
内製化支援 | 業務フロー・ツール設計 | 属人化しないオペレーション整備 |
代行・運用支援 | 現場での実行代行 | KPI連動型で継続改善 |
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