株式会社NTTデータ様
導入事例

“市場の声”を取りにいく。NTTデータが挑んだ新規事業の市場開拓

株式会社NTTデータ

業界  :IT業界
事業内容:システムインテグレーション事業、コンサルティング、デジタルソリューション提供
従業員数:195,106人
     (NTTデータグループ連結/2025年3月末時点)
ご担当者:コンサルティング本部
     サステナビリティサービス&ストラテジー推進室
     部長 前田 宏一様
     主任 佐藤 早映様

導入の背景 認知獲得フェーズから、“市場開拓”フェーズへの転換
導入の決め手 “市場理解まで伴走できるか”を重視
導入後の効果 市場理解と営業組織進化への波及
「脱炭素対応の必要性は高まっている。しかし、どう市場を開拓すべきか分からなかった。」そう振り返るのは、株式会社NTTデータでGHG排出量算定ツール『C-Turtle®』の事業推進を担う前田様・佐藤様です。

TCFD対応やScope3算定への関心が高まる中、多くのプライム上場企業にとって、排出量の可視化と削減は重要な経営テーマになっています。NTTデータは、こうした社会課題に向き合うソリューションとして『C-Turtle®』を展開。一方で、市場自体がまだ発展途上であり、単なるプロダクト訴求では顧客開拓が進みにくい難しさがありました。

そこで同社は、新規市場開拓の加速に向けてエンSXの営業BPOを導入。アウトバウンド型のインサイドセールスを立ち上げながら、マーケット理解を深め、営業体制そのものを進化させていきました。

本記事では、導入背景からパートナー選定の決め手、そして
「市場解像度の向上」と「営業組織の進化」につながった成果について伺います。


■導入の背景|認知獲得フェーズから、“市場開拓”フェーズへの転換

現在では、多くの企業で脱炭素経営への対応が重要テーマとなっています。しかし、『C-Turtle®』を立ち上げた当時は、まだ市場そのものが立ち上がり始めた段階でした。

佐藤様「立ち上げ当初は、『いかに知ってもらうか』を重視して、展示会や環境ビジネス系の外部セミナーを中心に活動していました。当時は『GHGプロトコル』と言ってもピンとくる方が少なく、市場全体がまだ手探りの状態だったんです。」

まずは市場の反応を見ながら、顧客の声をもとにプロダクトを磨いていく──。当初は、認知獲得と市場理解が大きなテーマでした。

しかし、事業が立ち上がり始めたことで、新たな課題が見えてきます。それが、「どう新規顧客を広げていくか」という市場開拓です。

佐藤様「お客様も増えてきたタイミングで、戦略的に新規顧客を広げていくフェーズへ移行しようとしていました。ただ、そのための営業ノウハウや体制には課題がありました。」

背景にあったのは、“営業モデルの違い”でした。

NTTデータは、既存顧客との長期的な関係構築を強みとしてきた企業です。一方、『C-Turtle®』のようなSaaS型ソリューションは、自ら市場へ能動的にアプローチしながら顧客を広げていく必要があります。

佐藤様「NTTデータ全体としては、大規模システム開発を通じて既存のお客様と長くお付き合いする営業スタイルが強い会社です。一方で、『C-Turtle®』のような新規ソリューションをアウトバウンドで広げていく文化やノウハウは、当時ほとんどありませんでした。」

さらに、営業リソース不足も大きな課題でした。

佐藤様「営業メンバー自体も少なく、アウトバウンド営業を始めようにも、ターゲット企業の整理やリスト整備まで十分に手が回っていない状態でした。」

新規市場を開拓したい。しかし、そのための営業モデル・リソース・ノウハウが不足している。そうした状況の中で同社が選択したのが、営業BPOの活用でした。

■導入の決め手|“市場理解まで伴走できるか”を重視

営業BPOを検討するにあたり、同社が重視していたのは、単にアポイントを獲得するだけの外注先ではありませんでした。

GHG排出量算定というテーマは専門性が高く、企業ごとに課題や成熟度も異なります。そのため、表面的な営業ではなく、事業や市場への理解を前提とした対話品質が求められていました。そうした中で評価されたのが、エンSXの提案内容と伴走姿勢だったといいます。

佐藤様「決め手のひとつは、『リスト整備』から巻き取っていただけたことです。通常は『リストはそちらで用意してください』と言われることが多いのですが、エンSXさんはデータベースを活用してアプローチできる提案をしてくださいました。」

また、提案時のレポーティング品質も印象的だったそうです。

佐藤様「報告サンプルを見た時に、
『ここまで整理してフィードバックしてくれるんだ』と驚きました。単なる件数報告ではなく、市場の反応をきちんと蓄積していけそうだと感じました。」

さらに、特に印象的だったと語るのが、“事業理解への向き合い方”です。

前田様「『C-Turtle®』は専門用語も多く、ヒアリング難易度も高い商材です。それでもエンSXの皆さんは、勉強会や講演動画などを通じて、ビジネスそのものを深く理解しようとしてくれました。その姿勢を見て、
『本当に伴走してくれるパートナーだな』と感じましたね。」

単に営業を代行するのではなく、
「市場を理解しながら伴走しようとしている」。その姿勢が、パートナー選定の後押しになったといいます。
加えて、導入初期の意思決定を後押ししたのが、契約面での柔軟性でした。

佐藤様「まだ成果も見えていない段階で長期予算を取るのは難しかったのですが、『まずは3ヶ月から始めましょう』と柔軟に提案いただけたことで、導入へのハードルが下がりました。」

結果として同社は、“営業代行”ではなく、“市場開拓を共に進めるパートナー”として、エンSXの導入を決定しました。

■導入後の効果|市場理解と営業組織進化への波及

取り組み開始後、まず成果として現れたのは、継続的な商談創出でした。

前田様「定量面で言えば、まさに期待以上でした。当時の統括室長だった南田も、『これだけ継続してアポイントを獲得できているのはすごい』と驚いていました。」

ただ、同社が特に大きな価値を感じたのは、単なるアポイント獲得ではありませんでした。

それが、「市場解像度の向上」です。

従来接点があったのは、ESGや脱炭素への感度が高い一部企業が中心でした。しかし、アウトバウンドによって幅広い企業へ接触したことで、市場全体の温度感が見えるようになっていったといいます。

佐藤様「非常に大きかったのは、市場全体の感度や動向が見えるようになったことです。アウトバウンドで幅広くヒアリングしていただいたことで、
企業ごとの温度感や業界特性が見えるようになりました。」

どの業界が反応しやすいのか。
どの課題訴求が刺さるのか。
どの企業が本格的に動き始めているのか。
実際の会話データを通じて、市場理解そのものが深まっていったのです。

佐藤様「ツールを積極的に導入する業界なのか、そもそも腰が重い業界なのか。そういった違いも見えるようになり、営業戦略の精度がかなり上がりました。」

さらに、今回の取り組みは社内営業組織にも変化をもたらしました。象徴的だったのが、エンSXのコール音声共有です。

佐藤様「実際のコールドコール音声を、成功事例だけでなく、うまくいかなかったケースも含めて営業メンバー全員に共有しました。」
これにより、社内で新規開拓への理解が一気に深まったといいます。

前田様「『1件のアポイントを獲得するのに、ここまで試行錯誤しているんだ』ということが社内にも伝わりました。結果として、
『もらった商談を絶対に無駄にしてはいけない』という意識が強くなり、営業との連携もかなり変わりました。」

今回の取り組みは、単なる商談創出に留まらず、社内の営業意識そのものにも変化をもたらしていました。

また、エンSX側の変化も印象的だったといいます。実際にプロジェクトを担当したエンSX側でも、当初は専門性の高さに難しさを感じていました。アカウントマネージャーの山本はこう振り返ります。「インサイドセールスのメンバーからは、最初は専門用語も多く、『難しいです』という反応もありました。ただ、商材の社会的意義をお伝えしていく中で、どんどん主体的に理解を深めてくれました。」

佐藤様「『社会的意義が高く、お客様にも価値を伝えやすい商材』と言っていただけたのは、我々にとっても大きな自信になりました。」

今回の取り組みは、単なる営業支援ではなく、“市場を学習しながら営業モデルを進化させていくプロセス”だったのかもしれません。

■エンSXへの評価

最後に、これまでのエンSXの支援について率直な評価を伺いました。

前田様「私は末広がりの意味も込めて、“88点”をつけたいですね。」
その理由として語られたのは、“伴走の深さ”への期待でした。

前田様「今でも十分にやっていただいていますが、今後はより細かなニーズまで拾い上げながら、“NTTデータの営業メンバーの一員”のような感覚で連携できると、さらに強い組織になっていけると思っています。」

また、事業フェーズの変化に合わせて、期待する役割も進化しているといいます。

佐藤様「今後は、『電話で難しかった企業にどうアプローチするか』など、新しい打ち手も一緒に考えていきたいと思っています。」

市場が立ち上がるフェーズでは、最初から正解が決まっているわけではありません。
どのターゲットに、どの切り口で、どうアプローチすべきか。実際の顧客接点を通じて仮説検証を繰り返しながら、営業モデルそのものをアップデートしていく必要があります。その中で同社は、
エンSXを“実行支援”ではなく、“市場開拓を共に進めるパートナー”として位置づけていました。

前田様「新規ソリューションを立ち上げて、『これから市場に広げていきたい』という企業には、非常に相性が良いと思います。」

佐藤様「新しい市場を開拓するフェーズほど、スピード感と試行回数が重要になります。その意味でも、プロフェッショナルと一緒に進める価値は大きかったですね。」

脱炭素という社会的インパクトの大きい領域において、新たな営業モデルを模索し続けるNTTデータ。その挑戦は、“売るための営業”ではなく、“市場を理解し、社会実装を進める営業”への進化だったのかもしれません。エンSXは今後も、同社の事業成長に伴走してまいります。


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