| 導入の背景 | インバウンドの次へ。将来の案件を生む新規企業開拓 |
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| 導入の決め手 | 当社の立場に立って考え、一緒に伴走してもらえるか |
| 導入後の効果 | 新規開拓から営業組織の生産性向上まで、成果が波及 |

三菱地所リアルエステートサービスのマーケティング部では、2025年頃からインサイドセールスの活動を本格始動しました。
マーケティングとフィールドセールスをつなぐパイプラインとして組成され、マーケティングで獲得したリードとの接点創出やナーチャリング、案件創出、フィールドセールスへのパス出しに加え、その後の商談支援まで担っています。
今回の導入背景にあった課題が、「持続可能な営業活動」と「質の高い商談の創出」です。
後藤様「私たちISは、フィールドセールスがより確度の高い商談に注力できるよう、顧客ニーズをストックし、ナーチャリングを行い、適切なタイミングでパス出しをしていく必要があります。そのなかで、より質の高い商談をパスするためには、顧客の潜在的な課題からニーズを掘り起こし、商談化する必要があります。」
そのためには、顧客から具体的な売買相談が寄せられるのを待つだけでなく、まだ明確な検討を始めていない企業とも早い段階から関係を築く必要があります。
そこで、セミナーやコンテンツへの反響、失注商談、休眠顧客などへのアプローチを開始。既存顧客への架電では好調な成果が出ていました。しかし、インバウンド施策を約1年間続けるなかで、ハウスリストが徐々に頭打ちになってきたと言います。
後藤様「このままでは、将来的な送客数が枯渇することが目に見えていました。だからこそ、一刻も早く新規開拓の手を打つ必要がありました。」
ISの活動を本格始動する時点で同社がターゲットとする企業の約半数は、未開拓の状態でした。さらに、企業不動産を対象とする同社のビジネスでは、新規接点がすぐに案件につながるわけではありません。
後藤様「法人向けの不動産ビジネスにおいては、初対面でいきなり大きな案件をご相談いただけることはまずありません。長くお付き合いしていく中で、信頼関係を構築、醸成していく必要があります。」
つまり新規開拓の目的は、今月のアポイントを増やすことだけではありません。数年先の案件につながる企業との関係を、今からつくっておくことにありました。
まずは社内のIS担当者2名で新規開拓を試しました。しかし、既存顧客へのフォローや進行中案件への対応もあるなか、新規企業への架電まで十分な時間を割くことは容易ではなかったそうです。
そこで検討したのが、営業活動の一部を外部パートナーに委託するという選択肢でした。

2026年の支援開始からの約8カ月間で、エンSXによる新規開拓では64件のアポイントを獲得。そこから76件のニーズの創出につながっています。
しかし、今回の取り組みで特に注目したいのは、アポイントの「数」だけではありません。アウトバウンドでありながら、想定以上のニーズ創出につながったことです。
同社の営業では、そもそも「今は不動産については特に検討していない」という企業が大半です。だからこそ、まずは所有不動産の多い業種をターゲットとして選定したうえで、どのような切り口で会話を始め、どのように潜在的な課題を引き出すかが重要になります。
そのため、支援開始後はエンSXに営業活動を任せきりにするのではなく、毎週の定例会を通じてシナリオを細かく議論しました。
「どの業界にどのような不動産課題がありそうか」「この企業にはどの切り口が刺さるのか」「この言葉では伝わりにくいのではないか」など、実際の架電で得られた反応を持ち帰り、次のアプローチへ反映していきました。
また、同社が当たり前に使っていた不動産業界の専門用語についても、第三者であるエンSXから「一般企業には伝わりにくい」とフィードバックを受け、表現を見直すなど、外部だからこそ得られる視点も取り入れました。
つくったシナリオをそのまま使い続けるのではなく、実際の顧客の反応をもとに、同社とエンSXで一緒に磨き上げていく。このプロセスが、アウトバウンドでありながら高いニーズ創出につながった要因の一つでした。
金様「最初から完成したものを渡して終わり、ではなくて、毎週の定例会で『この業種にはこの切り口が良いのではないか』『こういう言い方の方が伝わるのではないか』と話しながら、一緒につくっていけたのは大きかったと思います。」
さらに、同社のビジネスではアポイントから成約までのリードタイムが長く、早くても数か月、長ければ10年以上かかるケースもあります。そのため今回の成果は、短期的なアポイント件数だけでは測れません。
後藤様「現在、エンSXさんから送客いただいた企業にて、所有不動産の売却方針を決め、あとは親会社の承認を取るだけという案件が出てきています。また、初回商談での相談に留まらず、支店の移転相談や駐車場に関する相談など、後日追加の相談をいただける企業もあります。」
今回の取り組みは、将来の案件につながる新規企業との接点を継続的に生み出す活動として、すでに具体的な案件にもつながっています。
もう一つ大きな変化が、社内ISの時間の使い方です。
新規企業への初期アプローチをエンSXに任せることで、社内ISは既存顧客へのフォローや、進捗中の案件への対応、フィールドセールスとの伴走により多くの時間を使えるようになりました。
以前は、アポイントからニーズを獲得した後に現場へ渡して終わりとなり、その後の進捗まで追いきれていないケースもありました。新規開拓の初期フェーズを外部化したことで、社内ISは案件を「渡す」のではなく、その後の商談をどう前に進めるかまで関与できるようになったのです。
結果として、部署全体での案件化・商談ステップアップにも良い影響が生まれています。
つまり、今回の外部活用は、単純に「社内の架電工数を減らした」という話ではありません。新規企業との最初の接点をつくる仕事を外部に任せることで、社内ISは既存顧客や確度の高い案件に時間を使い、フィールドセールスと連携しながら案件を育てる。
それぞれの役割を明確にすることで、ISだけでなく、営業組織全体の生産性向上につながっています。
今回の取り組みから得られたもう一つの成果が、顧客ニーズへの理解が深まったことです。
新規企業へのアプローチを通じて、まだ具体的な売却・購入を検討していないものの、保有不動産の扱いに悩んでいる企業が少なくないことが分かりました。
後藤様「遊休不動産などの活用方法が分からずに放置してしまっている企業や、不動産に関して悩みを抱えているけれど気軽に相談できる相手がいないと感じている企業が、新規開拓をしてみると数多く存在していることが分かりました。」
毎週の定例会では、エンSXが吸い上げた市場の反応を共有。それを社内で共有することで、セミナーテーマへの反映やホワイトペーパーなどのコンテンツ資料もブラッシュアップしています。
つまり、新規開拓は「新しい顧客を探す活動」であると同時に、顧客の声を収集し、営業やマーケティングの仮説を磨く活動にもなっています。
こうした取り組みは、社内でのIS・マーケティング部門の評価にもつながりました。
金様「これまでは『マーケティング部って何をしているの?』と社内での認知が低かったのですが、インサイドセールスの活動を通して社内での認知が一気に広まりました。営業現場からも『マーケは良いお客さんをストックして、いい状態でトスアップしてくれる』と期待してもらえるようになりました。」
新規開拓の取り組みは、社外との接点を増やすだけでなく、ISとフィールドセールスの連携を強め、マーケティング部門そのものの役割を社内に浸透させるきっかけにもなりました。

