エン株式会社(新卒採用支援事業部)
導入事例

OJT依存からの脱却。irootsが実現した“再現性ある営業育成”とは

エン株式会社(新卒採用支援事業部)

業界  :広告・インターネット
事業内容:求人情報メディア・人材紹介サービス等の運営・活躍/定着支援サービス等の運営
従業員数:2,254名(2025年3月末時点)
ご担当者:新卒採用支援事業部 事業部長 松本氏
     セールスマーケティンググループ
     グループマネージャー 小柳氏 
     営業部 森本氏

導入の背景 若手比率の上昇と、OJT依存による育成の限界
導入の決め手 “実践→フィードバック→改善”が回る設計
導入後の効果 若手の成長が、組織全体を動かした
「新規を伸ばさなければいけない。でも、新規営業を体系的に教えられる人間がいない」

エン株式会社が展開する新卒ハイエンド向けスカウトサービス「iroots(アイルーツ)」の事業責任者・松本氏は、当時の状況をそう振り返ります。

当事業部では、売上を前年比で大きく伸長させる目標を掲げていました。しかし組織の半数が若手で、育成はOJT中心。再現性のないスキル習得に、マネジメント層に業務負荷がかかり、組織の生産性を最大化できない懸念がありました。

こうした課題に向き合うべく導入したのが、エンSXの営業育成プログラムです。受講生の一人である森本氏は、受講後に全社総会にて社長賞を受賞。個人の成果にとどまらず、組織全体にも大きな変化をもたらしました。

今回は、事業責任者の松本氏、マネージャーの小柳氏、受講生の森本氏に、導入の背景から成果、今後の展望までを伺いました。

■導入の背景|若手比率の上昇と、OJT依存による育成の限界

導入当時、当該事業部は急速な組織拡大の局面にありました。新卒採用の強化により若手社員の比率が一気に上昇。

さらに新規開拓の比重を高める方針が打ち出されました。これにより、課題はより鮮明な形で浮かび上がることになります。

松本氏「既存顧客を中心に売上は作れていましたが、今後は新規も伸ばさないといけない。ただ、新規営業を体系的に教えられる人材が不足していたんです。」

既存営業と新規営業では、求められるスキルセットが異なります。関係性の上に成り立つ既存営業と違い、新規営業は相手の課題をゼロから引き出し、信頼を一から構築しなければなりません。ヒアリング力、仮説思考、提案の構成力——そのどれもが体系的に身についていなければ、成果を出し続けることは難しい。そうした高度なスキルを、若手に対してどう教えるか。

現場で行われていた育成は、OJT中心でした。マネージャーの小柳氏は当時の状況をこう振り返ります。

小柳氏「営業力の高いリーダーに新人を任せて、属人的な育成を行っていました。そのため、リーダーごとに教え方も違い、使う言葉も違う。育成の再現性がない状態でした。」

さらに問題だったのは、その構造が固定化されていた点です。特定のリーダーに育成が集中することで、そのリーダー自身の業務も圧迫される。育てる側も育てられる側も、本来の力を発揮しきれない状況が続いていました。

組織の半数が若手という現実と、体系的な育成の不在。この二つが重なったとき、事業目標の達成は絵に描いた餅になりかねない。その危機感が、外部プログラムの導入という意思決定を後押ししました。


■導入の決め手|“実践→フィードバック→改善”が回る設計

外部の営業研修を検討するにあたり、松本氏には一つの強い確信がありました。それは、「インプット中心の研修では意味がない」というものです。

実は、同社は過去にも営業研修を試みたことがありました。知識を体系的にインプットするタイプのプログラムでしたが、現場での行動変容にはつながらなかった。学んだことが商談の場で活かされない。頭では理解しているのに、実践になると元の動きに戻ってしまう。そんな経験が、チームの中に残っていました。

松本氏「インプット中心の研修では限界がありました。実際にやって、フィードバックを受けて、改善する——このサイクルが必要だと感じていました。」

この経験があったからこそ、次に求める要件ははっきりしていました。知識を教えるだけでなく、実際の商談をベースにしたフィードバックが設計に組み込まれていること。そして、学んだことをすぐに現場で試し、また改善できる環境があること。

エンSXセールスアナリティクスのプログラムは、まさにその構造を持っていました。受講生が実際に行った商談を素材に、トレーナーが具体的なフィードバックを行う。次の商談で何を試すかが毎回明確になる。やりっぱなしで終わらない設計が、行動変容を確実に後押しする仕組みになっていました。

導入に際して、「必要な要素が揃っていたので、迷いはなかったですね。」と松本氏は言います。

唯一、導入前にお願いしたことがあったとすれば、エン株式会社内で浸透している営業スキルの思考フレームとの整合性です。組織の中で共通言語として根づいているフレームがある以上、外部プログラムがその考え方と矛盾していては、現場への浸透が難しくなる。その点だけをすり合わせた上で、導入をしました。


■導入後の効果|若手の成長が、組織全体を動かした

受講生の一人、森本氏は入社2年目。(受講時は1年目。)研修を受ける前の自分の状態をこう表現します。

森本氏「当初は商談の中で、何を深掘りすればいいのかが分かりませんでした。お客様から課題が出てきたときだけ説明する、という感じで。課題を引き出せなければ何もできない。正直、自分が商談の中で何をすべきか、よく分かっていなかったんです。」

研修に参加し、最初に衝撃を受けたのがヒアリングの考え方でした。

森本氏「相手の状態や温度感を"定量で捉える"という視点は、新たな気づきでした。数字や具体的な言葉で相手の状況を整理することで、会話を構造的に捉えられるようになりました。」

毎回のセッションで「次の商談でやること」が明確になる設計も、行動変容を後押ししました。学びがそのまま翌日の現場に直結する。やりっぱなしで終わらない積み重ねが、確かな成長につながりました。

その結果、森本氏は全社総会にて社長賞を受賞。事業部にとどまらず、グループ全体で評価される成果を出したのです。


組織全体への波及——「独り立ち」が早まり、チームが変わった

個人の成長は、やがて組織全体を動かし始めました。

管理職がまず実感したのは、若手の「独り立ち」のスピードです。

小柳 「例年より明らかに早い段階で、独り立ちの基準をクリアできるようになりました。以前よりも自分で商談を組み立てられるようになるまでの時間が、明らかに短くなっています。」

松本「成果が出ていても、必ずしも本人の能力が向上していると言い切れない部分もあります。しかし実際に私も受講生の商談の様子を近くで見ていて、『質問の仕方がうまいな、きちんと深いヒアリングができているな』と実感することができました。」

これは単に若手の成長を意味するだけではありません。先輩社員のリソースが解放されることで、より戦略的な動きに集中できるようにもなりました。育成にかかっていたコストが、事業貢献へとシフトしていったのです。

さらに、予期していなかった波及効果もありました。若手の活躍がベテランメンバーの意識を刺激し、チーム全体に良い緊張感が生まれたのです。

小柳「新卒メンバーが結果を出し始めると、周りも黙っていられない。自分も頑張らなければという空気が自然と生まれて、結果として組織全体の生産性が上がりました。」

同事業部では、顧客に向き合う採用コンサルタントの活躍要件を「採用知識×営業スキル」と定義しています。今回の取り組みによって営業スキルの土台が早期に形成されたことで、現場ではもう一つの要件である採用知識の習得により集中できる環境が整いました。育成の好循環が、ようやく回り始めたのです。

■エンSXへの評価

成果をどう評価しますか、と問うと、松本氏は間髪入れずに答えました。 「成果としては100点以上です。」

その言葉の裏には、確かな手応えがあります。事業部全体でも目標を上回る結果を出した。若手が予想以上のスピードで戦力化した。そして組織全体の生産性が上がった。数字だけでなく、チームの空気そのものが変わった実感があるといいます。

特に評価されているのは、個人のスキル向上にとどまらず、組織全体の変化を引き出した点です。一人の受講生の成長が、周囲への刺激となり、育成の文化醸成にまでつながった。それは、当初想定していた以上の成果だったといいます。

そして今、同事業部が次のテーマとして見据えているのは、マネジメント層の育成です。

松本氏「次のフェーズの課題はリーダーやマネージャーの育成強化です。」

小柳氏も同様に、育成の内製化への期待を語ります。

小柳氏「最終的には、日常的に育成が回る状態をつくりたい。特定の誰かに頼るのではなく、組織全体で人を育てられるようになること。そのためのマネジメント研修は、ぜひお願いしたいと思っています。」

松本氏はその本質をこう表現します。 「人を伸ばす中核はフィードバック力だと思っています。マネージャー層がそのスキルを持てるようになれば、組織は自走できる。そこを一緒に強化していきたいですね。」

営業人材の育成から、組織としての再現性ある成長へ。「組織の半数が若手」という壁を越えた新卒採用支援事業部の挑戦は、より大きな目標に向けて、次のフェーズへと進もうとしています。エンSXはそんな同社を引き続き、伴走支援してまいります。


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