営業出身の新人BtoBマーケターが、
真っ先にやめた「たった1つのこと」

はじめに

はじめまして!エンSXでマーケティングを担当している深澤です。

私は2024年8月にエンSXに入社し、セールスやマネジメント業務を経て、2026年4月よりマーケティングチームへ異動となりました。

本記事では、そんな営業畑を歩んできた私が、マーケターになる上で真っ先にやめた「たった1つのこと」についてシェアしたいと思います。

これからマーケティングに挑戦したい方はもちろん、営業出身者をマーケティング部門へ配属したマネージャー・責任者の方にも「新人のリアルなつまずきと、立ち上がりのヒント」としてお読みいただければ幸いです。

深澤 謙介(ふかざわ けんすけ)
マーケティング
廃水処理機器の営業、レシピ動画メディアの営業を経て2024年よりエンSX株式会社に入社。入社後は複数部署の経験を積みながらフィールドセールスのマネジメントにも従事。2026年4月よりマーケティングを担当。
猫を2匹飼っています。

結論

 早速結論から申し上げます。

私がマーケターとして真っ先にやめたこと、それは「HOWから考えること」です。順を追って説明します。


マーケティングの仕事とは何か? 

皆様は、マーケティング部がどのような仕事をしているか、明確なイメージをお持ちでしょうか?

お恥ずかしながら、異動前の私はこんなイメージを持っていました。

  • 広告バナーの作成やABテスト等の運用業務をしている

  • メルマガやホワイトペーパーの作成

  • 展示会やイベントの企画、運営

どれも間違いではないですが、これらはあくまで業務の一部でしかありません。

マーケティングの基本の考え方を「WHO(誰に)」「WHAT(何を)」「HOW(どのように)」届けるかとした場合、上記のイメージは全て「HOW」に該当します。

マーケティングの仕事とは、広告運用者でもコンテンツ作成者(HOW作業者)でもありません。顧客への提供価値を最大化し、自社の業績に直結することは全て行う「総合格闘家」なのだと、異動して痛感しています。

なぜHOWから考えてはいけないのか? 

私を含め、マーケティング未経験者はどうしても目立つ「HOW」から考えてしまいがちです。

  •  認知を取るために、〇〇広告をやってみたい 

  • このメディアに広告を載せてみたい 

  • こんな訴求内容のバナーを作成したい

異動直後の私も、「まずは話題の施策をやってみましょう!」とHOWに飛びつきそうになりました。しかし、HOWは前提条件によって大きく変動するため、施策ベースから考え始めるのは非常に危険です。

マーケターが真っ先に考えるべきは「圧倒的なWHOの理解」

 HOWに最も大きな影響をもたらす要素、それは「WHO(誰に)」です。 当たり前の話ですが、WHOが変わればHOWも変わります。

例えば、製造業の営業部門と、IT業界の情報システム部門と接点を持つのでは、選ぶべきチャネルは全く異なります。同業界であっても、会社の規模感や抱えている課題感によって、届けるべきHOWは変わってきます。

そう考えると、新人マーケターが真っ先に手を付けるべきなのは、HOWの各論(細かな施策やツール選び)ではなく、「WHOの徹底的な理解」に他なりません。

ここで、私自身の苦い体験をお話しさせてください。 

異動当初、運用型広告を任せてもらった際、私はまさに「WHAT〜HOW思考」の罠に陥ってしまいました。

  • WHAT:自社のUSPから何を伝えるのか(自社の強み、実績、競合優位性など)

  •  HOW:そのWHATをどう伝えるのか(バナーの構成、デザイン、キャッチコピーの微修正など)

このように、「自社が言いたいこと」とその「魅せ方」ばかりにフォーカスしてしまった結果、早々に訴求案が枯渇。リード獲得の初動につまずいてしまいました。 

さらに個人としても、バナーの背景色や細かいワードのチューニングにばかり思考を取られ、「あれ、これがマーケティングの仕事なのだろうか?」と、業務そのものにブレーキがかかる状態になってしまったのです。

そこで改めて立ち返ったもの。 それこそが、営業時代に数多く接してきた「顧客の生の声(WHO)」でした。


WHOを理解するためにやるべきこと

 WHOを設定する際、教科書的なやり方で多いのが「ペルソナの設計」です。 架空の人物を設定し、年齢や役職、価値観などをもとにターゲット像を作っていきます。

ただ個人的には、顧客の抱える課題感が複雑化・多様化する中で、机上の空論で架空のペルソナを設計することには懐疑的です。良い意味で表面上の課題は捉えられても、顧客が抱える生々しい課題や温度感までは見えてこないケースが多いからです。

営業時代は「目の前のリアルなお客様」を見ていたのに、マーケターになった途端に「顔の見えない架空の人物」を作ろうとしている自分に強い違和感を覚えました。

そこで私が行き着いた真っ先にやるべきこと。 それは「一次情報に触れること(一人でも多くの顧客のリアルな声を聞くこと)」です。

マーケティング部はセールスと比べ、顧客の一次情報に触れる機会が限られます。SFA/CRMのデータや商談議事録といった「文字情報」だけでは、どうしても記録者の主観が入り込み、顧客の切実な悩みや温度感までを捉え切ることはできません。

そこで私は、以下の4つのアクションで泥臭く解像度を上げていきました。

  • 架電音声の確認:顧客が最初に発する「迷い」や「声のトーンの変化」に耳を澄ませる
  • 商談への同席・録画視聴:議事録には残らない「顧客の表情が曇った瞬間」や「身を乗り出した発言」を捉える
  • IS/FSとの密な会話:「なぜあの案件は決まったのか(落ちたのか)」という文字に残りにくい現場の感触を聞き出す
  • 既存顧客との定例会の視聴や事例取材の参加:自社サービスの「本当の価値」を顧客自身の言葉で語ってもらう

実際の声を見聞きすることで、勝手な思い込みが次々と覆されました。 例えば、自社の「強み・優位性」が選定理由だと思っていた案件も、実際の商談を聞くと、決め手は「エングループとしての安心感」や「無理な稼働スケジュールに柔軟に対応してくれたこと」にあったのです。

この一次情報から得た気づきこそが、思考の大きな転換点となりました。

「〇〇社のような顧客に出会うにはどうすべきか?」「〇〇社のあの担当者が思わずクリックする言葉は何か?」と、実在する顧客の顔を浮かべながら施策を考えられるようになり、マーケターとしての立ち上がりが一気に加速しました。

これらの情報と営業時代の経験をかけ合わせる事で、本当の意味でのWHO理解を行う事が出来たのです。

知識がない新人だからこそ、分かりやすい手法(HOW)に飛びつきがちです。しかし、すべての基盤となる「WHOの泥臭い理解」こそが、新人マーケターが真っ先に磨くべき姿勢なのだと実感しています。

最後に 

ここまでお読みいただきありがとうございました。

熟練のマーケターの皆様からすると、至極当たり前の内容だったかもしれません。 しかし、マーケターになった今も、社内外問わず「マーケティング=HOWの作業者」という認識で止まってしまっているケースをよく目にします。

新人マーケターの皆様は、HOWからではなく、まずはWHOの理解に徹すること。 そしてマネージャーの皆様におかれましては、新人がHOWに溺れそうになった時、ぜひ「WHO」に引き戻すマネジメントをしていただければと思います。

細かいHOWの作業はこれからAIに代替されていきますが、「生々しいWHOの理解」と「WHATの設計」は人間にしかできません。

私自身、まだまだ勉強中の身です。様々な企業のマーケターの皆様と常に情報交換を行っていきたいと思っておりますので、ぜひお気軽にお問合せください。


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