外部連携で組織の壁を突破する!
「上司の商談同席」を仕組み化して
営業成果を最大化させた事例

こんにちは。アカウントマネージャーの田中です。

長男が今年高校受験の年を迎え、親として今からドキドキしています。 私自身、高校の重要性を強く感じているため、「今から本気で勉強しなさい!」と言いたくなることが何度もあります。しかし、そこは本人の自主性を重んじてグッと我慢。結果がどうあれ、健康で人に優しい人に育ってくれればいいと、自分に何度も言い聞かせる日々です。

さて、本日は私たちがご支援させていただいた「既存顧客への深掘り営業(クロスセル・アップセル)」における成功事例をご紹介します。

このプロジェクトでは、単にアポイントを獲得するだけでなく、営業組織が構造的に抱えがちな「ある重大な課題」を外部リソースの活用によって解決し、大きな副次効果を生み出すことができました。

田中 雅基
エンSX株式会社 アカウントマネージャー

2005年、エン株式会社(前身:エン・ジャパン株式会社)に新卒入社。2007年当時の単月新規受注件数のギネスを樹立。2009年に退職後、ベンチャー企業に転職。1年で売上166%UPし、常務取締役として経営参画を経験。
2015年にエンへ再入社。イチ営業から復帰し、様々な管理職経験を経て、2022年末から社内公募でエンSXに異動。アカウントマネージャー職としてクライアント支援に従事している。愛知県在住。特技はモノマネ。

プロジェクトの概要:既存顧客への深掘りとキーマンへのアプローチ

今回ご紹介するのは、既存のお客様に対してさらなる価値提案を行い、売上の最大化を目指すプロジェクトです。

  • 目的:既存顧客への深掘り営業による売上最大化
  • 手法:ターゲット企業の「部長クラス以上」の決裁権を持つキーマンとの接点が欲しいというニーズに対し、事前のキーマンリサーチと、個別の手紙(レター)送付を組み合わせたアプローチを実施。
  • 体制の工夫:獲得した商談には、現場の営業担当者だけでなく、「自社の部門長クラス(上司)が必ず同席する仕組み」を初期の設計段階から提案・導入しました。同じ役職・目線で話せる上層部が同席した方が、その後の案件化率や成約率が圧倒的に上がるためです。

実際、上司同席によって変わるのは、単なる「商談人数」ではありません。

最も大きく変わるのは、“商談で扱われる論点”です。

例えば、営業担当者同士だけの商談では、

  • 現場運用
  • 機能比較
  • 価格感
  • 日常業務の困りごと

など、どうしても実務論に寄りやすくなります。

一方で、部門長クラスが同席すると、顧客側も同じレイヤーの方が参加しやすくなり、会話のテーマが変わります。

例えば、

  • なぜ今このテーマを優先するのか
  • 組織としてどこを変えたいのか
  • 予算をどう確保するか
  • 社内で誰を巻き込む必要があるか
  • この施策が経営にどう繋がるか

といった、“意思決定の論点”まで一気に会話が進みます。

これは営業現場で非常によく起きることですが、実は案件が止まる理由の多くは「提案内容」ではなく、意思決定レイヤーの会話ができていないことです。

そのため、最初から上層部同士の対話構造を作ることが、結果として案件化率や成約率の向上に大きく影響します。

また、スムーズに進みそうな体制ですが、実はここには営業組織が共通して抱える「潜在的な課題」が潜んでいました。

営業組織に潜む「ブラックボックス化」という問題

営業は数字で評価される仕事です。

しかし一方で、実際の営業活動の中身は非常に見えづらい。

  • なぜ受注できたのか
  • なぜ失注したのか
  • なぜ案件が進まないのか
  • 顧客が本当に何を考えているのか

これらは営業担当者本人しか把握していないケースも多く、営業組織は構造的に「ブラックボックス化」しやすい特徴があります。

特に既存顧客営業では、営業担当者と顧客の関係性が長くなるほど、マネージャーが実態を把握しづらくなります。

すると、

  • 本当は提案余地があるのに共有されない
  • 案件化できるテーマが埋もれる
  • 顧客課題がマネジメント層まで届かない
  • 営業担当者の主観で案件優先度が決まる

といった問題が起き始めます。

そしてこの構造をさらに難しくするのが、「上司を商談に入れたくない」という現場心理です。

営業現場が抱えていた「潜在的な課題」と、外部を活用した解決

多くの営業組織には、部下が「上司を自分の商談に同席させたくない」と考えてしまう心理的ブレーキが潜んでいます。

  • 自己防衛本能:自分の営業スキル不足や、日頃のプロセスの甘さを評価者(上司)に知られたくない。
  • 責任転嫁の心理:成果が出ない理由を「市場の冷え込み」や「商品の不足」のせいにしたい(上司が同席してしまうと言い訳ができなくなる)。

結果として、本来であれば上司のサポートが必要なメンバー(ローパフォーマー)の案件ほど、上司への相談や情報連携、同席の依頼が上がってこないという悪循環が生まれます。

このような、社内(内製)だけでは解決が難しい「現場の忖度(そんたく)」を、外部のアプローチ部隊を活用することで強制的に排除することができました。

この問題が厄介なのは、社内だけでは解決が難しい点です。

例えば営業部門内で、

「部長も積極的に同席しよう」

「困った案件は相談しよう」

と呼びかけても、実際には現場から案件共有が上がってこないケースは非常に多くあります。

そこには、

  • 評価関係
  • 遠慮
  • 現場の空気
  • 心理的防衛
  • 営業担当者のプライド

など、様々な社内力学が存在するためです。

一方で外部部隊を介すると、この構造を比較的フラットに突破できます。

今回も、「部長同席前提で商談をセットする」というルールをオペレーションに組み込んだことで、現場担当者の裁量を介さず、自然に上司が商談へ入る流れを作ることができました。

つまり外部活用の本質は、単なるリソース補填ではなく、“社内だけでは動かない構造を動かすこと”にあるのです。

【課題を突破した3つの仕組み】

  1. 担当者の意向を介さない商談獲得:現場の主観や状況に関わらず、戦略的に重要なターゲット企業へ直接アプローチし、商談を設定。
  2. 「上司同席」のパッケージ化商談を獲得した時点で、あらかじめ「自社の部門長が同席すること」をセットで約束。これにより、現場の営業担当者による抵抗を無効化しました。
  3. 強制的な現場の可視化部門長が直接、顧客の生の声を聞かざるを得ない流れを自然に構築。

実際にどのように「上司同席」を運用したのか

実際の運用では、単純に「部長も参加してください」という依頼をしていたわけではありません。

重要だったのは、初期設計の段階から“上司同席込み”で商談を作っていた点です。

具体的には、

  • ターゲット選定時点で「部長クラス以上」を狙う
  • レター送付時点で役職レイヤーを揃える
  • アポ獲得時に御社は「弊社部長も是非お話したい企業」と事前伝達
  • 初回商談は会社の状況把握と課題ヒアリング、提案許可の獲得を目的に準備を実施(自社商品説明や競合比較は×)
  • 商談後は、宿題と2回目商談設定時期の入力を義務化

という流れを運用として固定化しました。

結果として、「たまたま上司が同席する」ではなく、上司同席の現場メリットと型を標準化する流れを作り、同席促進の動きを作ることが出来ました。

導入後の成果と、部門長からの喜びの声

プロジェクト導入後、お客様の部門長からは次のような喜びの声をいただきました。

「実は過去に、営業マンに対して『俺も同席するから商談をセットしてくれ』と何度も打診していたのですが、一向に声がかかりませんでした。それが外部と連携した仕組みにしたことで一気に解決し、今では現場の実態が本当によく分かるようになりました」

この取り組みによって、組織全体に以下のようなポジティブな変化が生まれています。

  • 現場把握のスピードアップ:部門長が顧客の実情と、自社の営業担当者が抱える本当の課題をダイレクトに把握できるようになりました。
  • 戦略的な商談の実現:最初から上層部同士(カウンターパート)の商談がセットされるため、提案の質が向上し、決裁までのスピードも大幅に加速しました。
  • マネジメントの健全化:現場の「見られたくない」という心理的な壁を、外部を活用した「仕組み」によって見事に突破できました。

まとめ:あなたの組織でも同じジレンマが起きていませんか?

多くの営業組織が、「上司が同席した方が商談が決まりやすいのは分かっているが、現場から同席依頼の声が一向に上がってこない」というジレンマを抱えています。

今回の事例は、外部の営業力を上手く組み込むことで、“仕組みとして強制的に上司を現場に引き出し、組織全体の営業力を底上げした”非常に再現性の高い成功パターンです。

「営業プロセスのブラックボックス化を解消したい」「既存顧客へのアプローチの質を引き上げたい」とお悩みの方は、ぜひ一度、このような体制構築を検討してみてはいかがでしょうか。


参考データ:
この取り組みにより、60人の営業組織において、上司同席商談が月平均3件程度だったものが、月20件以上に増加。上司が実際の商談に介入する割合が6.7倍になりました。

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