ABM初回商談の勝率を上げる設計 
——「次も話したい」を生む60分の使い方

皆さんこんにちは、エンSXの野田です。

当社ではABM支援を多く行っており、戦略的に狙った重要アカウントとの「初回商談」を数多く見てきました。

ABMで獲得した商談は、偶然ではありません。

ターゲティング、仮説設計、接点創出

――多くの時間と労力をかけてようやく得た、貴重な60分です。絶対に外してはいけません。

だからこそ私は、こう考えています。

ABM初回商談は“提案勝負”ではない。

勝敗は、商談前後でほぼ決まる。

本記事では、ABM初回商談の勝率を高めるために必要な「6つの設計」について整理します。

野田 勇次郎
エンSX 事業責任者
2016年エン株式会社(旧:エン・ジャパン株式会社)に新卒入社。法人営業からキャリアをスタートし、チームリーダー、マネージャーを経験。その後、SaaS領域やWebサイトUI・UXなどの新規事業に営業責任者として事業立ち上げを成功させる。2022年からはエンSXの立ち上げに参画し、事業責任者を務め、2024年に法人化。趣味はキックボクシング、サウナ。

なぜABM初回商談は失敗するのか

よくある失敗は、シンプルです。

 ・会社説明に時間を使いすぎる

 ・仮説が広すぎて刺さらない

 ・相手の役割を知らない or 誤解したまま商談を進めている

 ・次回アクションが決まらない

どれも“営業力不足”の問題に見えますが、実は違います。

共通する原因は、設計不足です。

ABM初回商談のゴールは、「売ること」ではありません。次も話したいと思ってもらい、次回接点を確定させること。

そのための設計を、6つに分解します。

① 進め方の合意設計

商談の進め方は2通りのみ。顧客にまずは問うことからです。
商談がダラダラ進む最大の原因は、冒頭で「流れの合意」を取っていないことです。


顧客に「何のための時間?」と思わせた瞬間に「顧客体験」はマイナスになります。 私は必ず、以下の2択を提示し、自分からも推奨を伝えます。

  1. 先に状況を伺い、的を絞って提案する(推奨)
  2. 会社紹介から入り、全体像を掴んでから議論する

例:

「有意義な時間にするために2つ進め方を考えています。資料説明で時間を使うのは勿体ないので、状況を伺ってからご提案する①を推奨しますが、いかがでしょうか?」

この一言で、

 ・顧客体験のマイナスを防ぐ

 ・時間の主導権を握る

 ・“一緒に作る商談”になる

という効果があります。もちろん、2の傾向を好む方も多いです。だから冒頭に問うことが何より大事です。

② 仮説は1〜2つに絞る設計

60分でやってはいけないのは「全部言う」こと。

「幅広く何でもできる」は記憶に残りません。

市場動向、競合状況、相手の役割を踏まえ、ぶつける仮説は1〜2個に絞る。

「御社が注力する●●において、○○さんは××のミッションを担われていると推察しています。その場合、△△という課題に直面されているケースが多いですが、いかがでしょうか?」

重要なのは“情報”ではなく“解釈”をぶつけること。

仮説の精度が高いほど、相手は本音を話してくれます。

③ 相手のミッションを把握する設計

役職名で判断すると事故ります。

 • 経営企画だが実質マーケ責任者

 • 営業部長だがプロダクトも管轄

仮説を差し込む前に、必ずミッションを確認する。

商談冒頭で相手のミッションをおさえることがポイントです。

おすすめは、自分の役割も含めた自己紹介から入ること。

立ち位置がわからないまま提案するのは、地図なしで航海するのと同じです。

④ 商品説明は腹八分目設計

説明し尽くすのは営業の自己満足に過ぎません。ポイントは、

「それ、もう少し気になる」

「どういうこと?」

という、良い意味での「問い」を相手の中に残すのが理想。そのため事例も詳細までは語らない。

「●●社で△△の課題を支援し、成果は□□です。」

ここまで。

「それ、詳しく聞きたい」と言わせたら勝ちです。

初回は“売る場”ではなく、“興味を増幅させる場”なのです。

⑤ ネクストアクション即決設計

初回商談の失敗の多くはこれ。

「またご連絡しますね」「資料を送りますね」は、ネクストアクションではありません。

これを多用すると陥ってしまうのが、初回商談後に音信不通になるようなケースです。

顧客は忙しい。優先度が低ければ忘れられます。だからこそ、その場で次回日程を押さえる。

ABM初回商談の勝率は、“その場で日程が決まったか”でほぼ決まります。

⑥ 御礼メールで記憶定着設計

顧客は日々、沢山の営業を受けます。 日が空けば「あの会社とは何の話をしたっけ?」と、商談の中身を詳細に覚えていることはほぼありません。

だからこそ、思い出した際に見返せるように「議事録」を毎回送ることは最低限の配慮です。1商談を大事にするならば、商談だけではなく、前後も必ず意識しましょう。

営業マネージャー向け:勝率を安定させる方法

ABM初回商談は属人化しやすいものです。

型化するには、

 ・商談前に「仮説1〜2個」を事前提出させる

 ・ネクストアクション未確定はレビューNGにする

 ・商談冒頭5分の録画を重点レビューする

設計をチームに浸透させることで、勝率は安定します。

まとめ

ABM初回商談は、60分で売りきる勝負ではありません。

60分で、

 ・信頼を獲得し

 ・仮説を刺し

 ・興味を残し

 ・次回接点を確定させる

“設計勝負”です。

重要アカウントとの貴重な60分。

その価値を最大化できるかは、商談前の設計で決まります。

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