イベントリードの成果は「追客設計」がすべて

こんにちは。エンSXでアカウントマネージャー(PM)をしている市川です。

イベント施策に取り組んでいる多くの企業が、こんな悩みを抱えています。

・イベント当日は手応えがあったのに、商談につながらない
・名刺や参加者リストは集まったが、その後の活用が曖昧
・結局、顕在ニーズがありそうな一部しか追えていない

イベントは「当日の盛り上がり」で評価されがちですが、実際の成果はイベント後の動き方でほぼ決まります。

本記事では、イベント後のリスト活用において成果を上げた取り組みをもとに、
なぜイベントリストは活かしきれないのか、そしてどう設計すれば成果につながるのかを、具体的な判断軸と運用視点で解説します。

市川 壮
エンSX株式会社 アカウントマネージャー
2008年 新卒にて地方銀行へ入行。
2014年 エン株式会社へ中途入社し、
     東京本社にてエン転職の営業・チームリーダーを経験。
2018年 エン転職のチームリーダーとして名古屋拠点へ異動。
2022年 エンSXへ異動し、現職(アカウントマネージャー)。
     現在はプレイングマネジャーとして担当クライアントを持ちつつ
     マネジメントにも従事。

なぜイベント後のリストは活かしきれないのか

多くの現場で見られるのは、次の3つの壁です。

① 接点が一気に増え、整理が追いつかない

イベント後は短期間で大量のリストが発生します。

マーケティング、インサイドセールス(IS)、フィールドセールス(FS)それぞれが通常業務を抱える中で、リスト整理が後回しになりがちです。

② 部署ごとの役割分担が曖昧

  • どこまでをFSが追うのか

  • ISはどの層まで対応するのか

  • マーケはどこまで関与するのか

この線引きが曖昧なまま進むと、「誰も全体を見ていない」状態になります。

③ 初動スピードが遅れる

イベント直後は参加者の温度感が最も高いタイミングです。
しかし、リストの整理や引き渡しに数日〜1週間かかると、その間に関心は急速に薄れていきます。

結果として、追える一部しか追わず、大半のリストは手つかずのまま終わるという事態が起こります。

イベント後の成果は「分け方」で決まる

こうした課題を踏まえ、私が辿り着いた結論はシンプルです。

「イベントの成果は、当日の当たり方ではなく、イベント後にどう分け、どう渡すかで決まる」

重要なのは、

  • 顕在・非顕在で単純に切ること

  • すぐ商談になりそうな人だけを追うこと

ではありません。

役割に応じてリストを分け、全体を動かす設計をすることが、イベントを「一過性」で終わらせないポイントだと整理しています。


1.イベント後リストの基本的な考え方

顕在/非顕在では切らない

イベントリストを「顕在層」「非顕在層」で分けてしまうと、
非顕在=今は追わなくてよい、という判断になりがちです。

しかし、イベント参加者は少なからず何かしらの関心を持っています。
そこで私たちは、顕在・非顕在ではなく“役割別”に分ける考え方を採用しました。

  • FSが追うべきリスト

  • ISが担うべきリスト

この切り分けを先に決めることで、「追えない」のではなく「追う意味がある」状態をつくります。

2.プロジェクトマネージャー視点で行なったリストの分け方と判断軸

セグメント設計(A/B/C)

イベント後、すべてのリストをプロジェクトマネージャーが一次受けし、以下の軸でセグメントしました。

  • イベント参加有無(実参加/未参加)

  • アンケート回答有無・内容

  • 役職・部署

  • 企業規模・業種

これらをもとに、リストをA/B/Cの3段階に分類します。

  • A:優先対応(FS連携)

    • 明確な課題感や検討意向が見られる

    • 役職・企業規模的にも案件化余地が高い

  • B:IS対応(情報接触・温度感確認)

    • すぐの検討ではないが、関心領域が明確

    • 今後の検討可能性がある

  • C:ナーチャリング対象

    • 情報収集段階、または反応が薄い

    • ただし市場の反応としては重要

なぜプロジェクトマネージャーが即時に分けたのか

最も避けたかったのは、
「ホットな状態のまま動けない」ことでした。

マーケやFSを経由してから判断すると、どうしても時間がかかります。
そこで、イベント終了直後に全リストを受け取り、プロジェクトマネージャーがその日のうちにセグメントを実施しました。

夜遅くまでリストを整理することもありましたが、それは根性論ではありません。
スピードこそがイベント後最大の価値だと考えていたからです。

3.ISが担うイベントリスト活用のポイント

ゴールは「今すぐアポ」だけではない

イベント起点のIS活動では、アポイント獲得だけを目的にしません。

重要なのは、

  • どの業界の反応が良いか

  • どの訴求が刺さったのか

  • なぜ今すぐ検討ではないのか

といった次につながる情報を回収することです。

実際に意識していた確認項目

ISでは、以下のような点を意識してヒアリングを行いました。

  • イベントに参加した背景

  • ブースやセッションで関心を持ったポイント

  • 現在の検討状況と障壁

これらの情報をFSに連携することで、商談の質を高めることができました。

4.成果をどう評価したか

見ていた指標は「アポ率」だけではない

イベント起点の成果は、単純なアポ率だけでは測れません。
私たちが重視していたのは、「初回商談後の2回目商談設定率」でした。

イベントは短期間で多くの接点を生む一方、
その場の温度感だけで成果を判断してしまうと、
本来拾えるはずの案件機会を見落としてしまう可能性があります。

そのため今回は、
「どのセグメントが、どれだけ商談の“次”につながっているか」
という視点で成果を評価しました。

セグメント別に見た成果と示唆

今回の取り組みでは、イベント後のリストをA/B/Cのセグメントに分け、
それぞれに適した役割とアプローチを設計しました。

オフラインイベントの結果

あるオフラインイベントでは、FSが優先的にアプローチするリストを除いたうえで、
ISによる後追いを実施しました。

  • セグメントA:20件(2回目商談:7件)

  • セグメントB:19件(2回目商談:4件)

  • セグメントC:9件(2回目商談:2件)

全48件のアポイントのうち、
Aが約42%、Bが約40%、Cが約19%を占めており、
セグメントB・Cだけでも全体の約6割のアポイントを創出しています。

また、2回目商談への進展率を見ると、
A:約35%、B:約21%、C:約22%となり、
セグメントAだけが突出して質が高いわけではないことが分かりました。

オンラインイベントの結果

オンラインイベントでは、
「参加×アンケート回答あり(A)」「参加×アンケート未回答(B)」「不参加(C)」
という形でセグメントを設定しました。

  • セグメントA:4件(2回目商談:2件)

  • セグメントB:5件(2回目商談:1件)

  • セグメントC:5件(2回目商談:1件)

全14件のアポイントのうち、
セグメントB・Cが約7割を占めており、
アンケート未回答・不参加層も、十分に商談機会を生んでいることが確認できました。

2回目商談への進展率は、
A:50%、B:20%、C:20%となっており、
参加有無やアンケート回答だけで、
機会の質を単純に判断すべきではないことが示唆されます。

セグメントごとの役割整理

これらの結果から、各セグメントに対する期待値は次のように整理できます。

  • Aは短期的な成果創出を担う層

  • Bは中長期の案件創出につながる層

  • Cは市場理解や次の施策設計に示唆を与える層

イベントリストは、単なる営業リストではなく、
次の打ち手を考えるための「学習データ」でもあると言えます。

通常BDRとの比較

最後に、2回目商談設定率における通常のBDR施策との比較です。

  • 通常のBDR施策: 約14.5%

  • イベント起点(オフライン):約27.1%

  • イベント起点(オンライン):約28.6%

イベントリストは、数だけを見れば決して多くはありません。
しかし、適切にセグメントし、役割を分けて活用することで、
商談の質は通常施策を大きく上回る
ことが、数値からも確認できました。

まとめ:イベントリスト活用は事前設計が肝

本取り組みで成果を生んだのは、
特別なトークやツールではありませんでした。

  • 事前に決めていた分け方

  • 迷わず動ける役割設計

  • そして初動スピード

この3点が揃っていたからこそ、
イベントを一過性で終わらせず、受注につながる施策にすることができました。

イベントは「やるかやらないか」ではなく、どう活かすかで価値が決まります。

これからイベント施策に取り組む方、
すでに実施しているが成果に伸び悩んでいる方の参考になれば幸いです。

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