商談の“停滞”を防ぐ!
——BtoB営業が実践すべき
「構造化アプローチ」とは

「検討します」と言われた商談が、そのまま止まってしまう。
初回商談は悪くなかったはずなのに、気づけば数ヶ月、音沙汰がない——。

BtoB営業において、商談後の停滞は珍しいことではありません。
しかし、その原因を「顧客の都合」や「タイミングの問題」で片付けてしまうと、
案件は永遠に動かないままです。

実は、商談が止まる多くのケースでは、営業側の“ある共通点”が顧客を迷子にしています。それが、商談後コミュニケーションにおける「構造化不足」です。

本記事では、弊社で実践している商談後に案件を前に進めるための「構造化アプローチ」について、具体的な切り返し例とともに解説します。

田中 雅基
エンSX株式会社 アカウントマネージャー

2005年、エン株式会社(前身:エン・ジャパン株式会社)に新卒入社。2007年当時の単月新規受注件数のギネスを樹立。2009年に退職後、ベンチャー企業に転職。1年で売上166%UPし、常務取締役として経営参画を経験。
2015年にエンへ再入社。イチ営業から復帰し、様々な管理職経験を経て、2022年末から社内公募でエンSXに異動。アカウントマネージャー職としてクライアント支援に従事している。愛知県在住。特技はモノマネ。

「停滞の原因=構造化不足」

初回商談から受注までの平均リードタイムが長い商材の新規顧客開拓において、商談後の顧客分類と対策は、組織の命運を分ける重要な要素です。

しかし、多くの営業組織では、これらが個人の商談力や管理能力に委ねられています。
結果として、案件の進捗が芳しくない理由を外部要因のせいにしたり、「営業個人の能力不足」と片付けられたりして、トップ層とボトム層の差は一向に埋まらないのが現状ではないでしょうか?

「その後、状況いかがですか?」というような通り一遍のアプローチでは、顧客から「しつこい」とクレームにつながるリスクも高まり、それを恐れて漫然と時期を空けてしまうという悪循環に陥りかねません。結果として、直近で導入意欲がある企業からしか受注が生まれず、過去の商談リストは担当変更による「運」でしか掘り起こせなくなってしまいます。

停滞の正体は「顧客が判断できない状態」にある

商談が停滞すると、多くの営業はこう考えがちです。

「今はタイミングが悪かった」
「顧客側の優先度が低いのだろう」

しかし、現場で数多くの商談を見てきた中で感じるのは、停滞案件の多くは“意欲がない”のではなく、「どう判断すればいいかわからない状態」に陥っている、という事実です。

BtoBの商談では、顧客は常に複数の課題を同時に抱えています。
目の前の業務、他プロジェクトとの兼ね合い、社内調整、予算の制約。
その中で営業から多くの情報や選択肢を渡されると、判断は後回しになり、結果として案件は止まります。

ここで重要なのが、営業側の「構造化」という視点です。

構造化とは、単に情報を説明することではありません。
顧客の頭の中に散らばっている

・課題
・懸念
・優先順位
・検討ステップ

を整理し、「次に何を考え、何を決めればいいのか」を 一緒に言語化してあげることです。
これを弊社では「構造化アプローチ」と定義しています。

この構造化が不足した状態では、どれだけ熱量のある提案をしても、顧客は前に進めません。
結果として商談は「検討します」という言葉を残したまま、静かに停滞していくのです。


多くの営業が陥る「構造化不足」3つの症状

商談後、顧客から「検討します」と言われたまま連絡が途絶えてしまう。これは単に顧客側の都合だけではなく、営業側のコミュニケーションにおける「構造化不足」が、顧客を迷子にさせているケースが非常に多いのです。

私たちが営業現場で目にする、陥りがちな「3つの症状」を整理してみました。

① 情報の「羅列」止まり(優先順位がない)

顧客から「価格が高いし、今は忙しいし、機能も不安」と複数の懸念点が出された際、すべてを同じ重さで受け止めてしまう症状です。

・NGパターン:「価格も時期も機能も懸念なんですね。承知しました」と、全てを一度に解決しようとして、提案の焦点が 
         ボケてしまいます。
・本来の姿  :「一番のボトルネックはどれですか?」と問いかけ、解決すべき課題に重みづけを行います。

結局、顧客は何を判断すればいいのかわからず停滞してしまいます。

② 「時系列」の不在(ロードマップがない)

「検討します」という言葉に対し、具体的なステップ(階段)を描けないまま終話してしまう症状です。

・NGパターン:「では、ご検討よろしくお願いします」と、検討の進め方を顧客に丸投げしてしまいます。
・本来の姿  :「まずデモでイメージを掴み、その後に見積を確認、その上で稟議を判断する」という次にとるべき行動を
         時系列で提示
します。

これにより、検討が“永遠の宿題”になっているのが実情です。

③ 「一方通行」の提案(相手の状況を無視)

顧客の頭の中が整理されていないのに、こちらの「売りたいもの」を押し付けてしまう症状です。

・NGパターン:「決算で忙しい?そうですか。ところで今ならキャンペーン中なんですが…」
・本来の姿  :「決算でお忙しいのであれば、今は無理に動かず、落ち着いた時期にすぐ始められるよう、今月は〇〇だけ
         済ませておきませんか?」と、相手の状況に寄り添った提案を行います。

これが顧客にとって“今じゃない理由”を量産してしまっています。

「あるある」別の切り返し処方箋

構造化アプローチは、特別なテクニックではありません。
ポイントは、「停滞理由ごとに、整理すべき観点を変える」ことです。

多くの営業は、どんな停滞理由に対しても同じフォロー、同じ言い回しをしてしまいます。
しかし、顧客が止まっている理由が違えば、必要な整理も、かける言葉も変わります。

ここでは、現場で特に多い「停滞理由」ごとに、どこを構造化し、どう切り返すべきかを整理します。

処方箋①「今は忙しくて…」の場合

「今は忙しくて」という言葉は、決して「興味がない」という意味ではありません。

多くの場合、
「重要だとは思うが、今は優先順位を上げられない」
というサインです。

このとき営業が構造化すべきなのは、“忙しさ”そのものではなく、優先順位の設計です。

<切り返し例>
「今はお忙しい前提で大丈夫です。では、〇月に判断するために、今月は“情報整理だけ”進めておきませんか?」

処方箋②「社内調整が必要で…」の場合

社内調整が理由で止まる商談の多くは、顧客自身が「どう説明すればいいかわからない」状態です。
この段階で営業が距離を取ってしまうと、案件はほぼ確実に停滞します。

<切り返し例>
「社内で確認される際、一番突っ込まれそうなポイントはどこでしょう?」
「その論点について、1枚で整理した資料を一緒に作りませんか?」

処方箋③「価格がネックで…」の場合

価格が理由で止まっているように見える商談でも、本当の論点は“金額”ではないことが多くあります。

多くの場合、
「その価格をどう判断すればいいかわからない」
という構造化不足が原因です。

<切り返し例>
「金額そのものというより、投資として見合うかどうかが判断しづらい状況でしょうか?」
「導入後に、何がどう変われば“やってよかった”と言えそうか、一度整理しませんか?」

処方箋【万能薬】④その他の場合

最後は万能薬としてご紹介です。

上記3つのパターンで切り返して会話を続ける方法をご紹介いたしましたが、毎回切り返していくことは物理的には難しいというのが現実です。むしろ、切り返す前に顧客状況や担当者の不安や希望を漏れなく聞き出すということこそが、正しく処方箋を出す上で最も大切な点と言えます。

上記の内容はもちろん、それ以外の会話を顧客が発言した時はまずは、「どうしてそのようにお感じなのですか?」と発言の背景を質問返しすることで、そう発言されている背景や真のニーズをつかむことができます。

その質問に反応頂けた際は、「そういう理由で〇〇とお話されたことがよく分かりました。ありがとうございます。」とお礼をお伝えし、上記例のような切り返しをしていくことで、切り返しの有効度が格段に上がっていきますので、どの発言に対しても、まずその発言の背景を聞き返す。是非やってみてください。

最後に:商談後のアプローチは「相談役」への第一歩

ナーチャリングの真のゴールは、無理に売り込むことではありません。
顧客が課題に直面したときに、「あ、あの人に相談してみよう」と頭の片隅に想起される状態を作ることです。

そのためには、通り一遍の追客ではなく、今回ご紹介した「構造化アプローチ」を用いて、顧客自身も気づいていない「思考の絡まり」を解きほぐしてあげることが重要です。

商談リストを「出しっぱなし」にするのではなく、顧客の良き理解者として並走することで、リストは必ず「受注の宝庫」へと変わります。

・商談後ナーチャリング設計
・インサイドセールスによる伴走
・構造化アプローチの型化

についてお悩みでしたら、ぜひエンSXへご相談ください。

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