大手企業開拓の成功率は、ターゲティング精度で数倍以上変わります。大手企業開拓において最も重要なのは、アプローチ先選定の精度です。今回は、このターゲティングについて私が考えていることをお伝えしていきます。
※本記事では、大手企業=従業員数1,000名以上の企業という前提です。

以下は弊社で私たち自身が大手企業へアプローチをするなかで積み上げたデータです。
実際のデータを見ると、高精度にターゲティングした企業への商談化率は12%に達する一方、 無差別アプローチではわずか1%に留まります。
▽ターゲティング手法別の成功率比較(従業員1,000名以上、2,000社への結果)
精緻なターゲティング企業 (課題・ニーズが明確) | ████████████ 12% |
導入済み類似企業群 (競合他社導入済) | ██████████ 10% |
業界のみで絞り込み (表面的な選定) | ████ 4% |
無差別アプローチ (とりあえず大手) | █ 1% |
この圧倒的な差が生まれる理由は明確です。
自社サービスが解決できる具体的な課題を持つ企業にアプローチすることで、相手にとっての価値が明確になり、「話を聞いてみたい」という関心を引き出しやすくなるからです。
大手企業開拓で成果が出ない企業には、共通する失敗パターンがあります。
これらの失敗は、ターゲティングの精度不足に起因します。以下の3つが典型的な失敗パターンです。
「とりあえず大手企業なら」という発想で、業界・規模だけで対象を決めてしまうパターンです。
日本の大手企業は約0.3%、数千社程度しか存在しないため、貴重なリソースを無駄にしてしまいます。
大手企業の購買サイクルは平均6~12ヶ月。意思決定には複数の部門、5~10名の関係者が関わります。
キーパーソンを特定せずにアプローチすると、たらい回しにされて終わります。
自社の機能や特徴を並べるだけで、その企業固有の課題解決につながる提案ができていないパターンです。汎用的な提案では、既存取引先との差別化ができません。
他にも理由は挙げられますが、上記3つだけでも、大手企業開拓が「とりあえず」では成功しないことがご理解いただけると思います。
では、どのようにターゲティングすればよいのでしょうか。
以下は、私たちが実際に成果を上げている絞り込みプロセスです。
↓ 初期リスト作成 大手企業全般(約2,000社)
【具体例】
↓ 業界特性での選定 関連業界の大手企業(約1,000社)
【具体例】
↓ 課題ベースでの絞り込み 明確な課題を持つ企業(約500社)
【課題把握の方法】
↓アプローチ対象企業(100~200社)
【優先順位付けの基準】
特に注目すべきは、競合他社を既に導入している企業の同業界・業種企業です。
市場でソリューションへの需要が顕在化している可能性が高いことや、ビッグネーム企業の成功事例が関心を引きやすいからです。
また、高精度なターゲティングを実践するには、データ活用基盤が不可欠です。
そのため以下2点は実施すべきだと私は思います。
IR資料、プレスリリース、業界メディアから各企業の経営課題を抽出しましょう。「DX推進に注力」「業務効率化が急務」など、自社ソリューションが解決できる具体的な課題を持つ企業を見極めることが重要です。
既存顧客データから「年商規模」「部門人数」「導入背景」などの共通パターンを分析します。なぜ高い商談化率を達成できたのか、その法則性を明らかにして次のターゲティングに活用しましょう。
2,000社→1,000社→500社→100-200社へと、4STEPで段階的に絞り込みます。各段階で明確な基準を設け、最終的には「競合導入済みの同業他社」「関連部門を強化中」など、成功確度の高い企業に集中します。
以上です。
日本の大手企業はわずか0.3%、数千社しか存在しない貴重な市場。その中から自社に最適なターゲットセグメントを見つけ出すことが、大手企業開拓における最大の成果となるのです。
次回は、ターゲティング後のアプローチ、ABM戦略(アカウントベースドマーケティング)について触れていきますので、お楽しみに!!
▼参考ブログ:ABMでの受注率を飛躍させる秘訣