大手企業開拓をはじめる・強化するには?

大手企業開拓は高精度なターゲティングこそが生命線

大手企業開拓の成功率は、ターゲティング精度で数倍以上変わります。大手企業開拓において最も重要なのは、アプローチ先選定の精度です。今回は、このターゲティングについて私が考えていることをお伝えしていきます。

※本記事では、大手企業=従業員数1,000名以上の企業という前提です。

長崎 健吾
エンSX株式会社 営業責任者

2023年エン株式会社(前身:エン・ジャパン株式会社)へ中途入社。SX事業部に配属され、FS初期メンバーとして従事し、2024年から営業責任者へ。
現在はFSチームのマネジメントと並行し、自身ではエンタープライズ領域を担当。

以下は弊社で私たち自身が大手企業へアプローチをするなかで積み上げたデータです。

実際のデータを見ると、高精度にターゲティングした企業への商談化率は12%に達する一方、 無差別アプローチではわずか1%に留まります。

▽ターゲティング手法別の成功率比較(従業員1,000名以上、2,000社への結果)

精緻なターゲティング企業 (課題・ニーズが明確)

████████████ 12%

導入済み類似企業群 (競合他社導入済)

██████████ 10%

業界のみで絞り込み (表面的な選定)

████ 4%

無差別アプローチ (とりあえず大手)

█ 1%

この圧倒的な差が生まれる理由は明確です。

自社サービスが解決できる具体的な課題を持つ企業にアプローチすることで、相手にとっての価値が明確になり、「話を聞いてみたい」という関心を引き出しやすくなるからです。

大手企業開拓でよくある3つの失敗パターン

大手企業開拓で成果が出ない企業には、共通する失敗パターンがあります。

これらの失敗は、ターゲティングの精度不足に起因します。以下の3つが典型的な失敗パターンです。

1. ターゲットが広すぎる「“大手”アプローチ」

「とりあえず大手企業なら」という発想で、業界・規模だけで対象を決めてしまうパターンです。

日本の大手企業は約0.3%、数千社程度しか存在しないため、貴重なリソースを無駄にしてしまいます。

2. 意思決定者が見えない「入り口迷子」

大手企業の購買サイクルは平均6~12ヶ月。意思決定には複数の部門、5~10名の関係者が関わります。

キーパーソンを特定せずにアプローチすると、たらい回しにされて終わります。

3. 提案価値が不明確な「機能押し売り」

自社の機能や特徴を並べるだけで、その企業固有の課題解決につながる提案ができていないパターンです。汎用的な提案では、既存取引先との差別化ができません。

他にも理由は挙げられますが、上記3つだけでも、大手企業開拓が「とりあえず」では成功しないことがご理解いただけると思います。

成功する大手企業ターゲティングの4STEP

では、どのようにターゲティングすればよいのでしょうか。

以下は、私たちが実際に成果を上げている絞り込みプロセスです。

▽ 効果的な絞り込みプロセス  ※弊社の場合

STEP1:業界・規模でフィルタリング

↓ 初期リスト作成 大手企業全般(約2,000社)

【具体例】

  • SaaS企業の場合:IT投資が活発な製造業、金融、小売に絞る
  • 訴求ポイント:「DX推進」「業務効率化」など業界共通課題

STEP2:既存顧客の成功要因を分析

↓ 業界特性での選定 関連業界の大手企業(約1,000社)

【具体例】

  • 既存顧客データから「年商1,000億円以上」「IT部門50名以上」という共通点を発見
  • 訴求ポイント:「同規模企業での導入実績」「ROI〇%改善」など具体的数値

STEP3: 優先順位付け

↓ 課題ベースでの絞り込み 明確な課題を持つ企業(約500社)

【課題把握の方法】

  • IR資料での経営課題チェック(中期経営計画など)
  • プレスリリースでの新規取り組み発表
  • 業界メディアでの課題言及
  • SNSでの新規採用情報

STEP4: 最終ターゲット選定

↓アプローチ対象企業(100~200社)

【優先順位付けの基準】

  • 競合導入企業の同業他社(横展開の可能性大)
  • 直近で関連部門を強化(採用増など)
  • 経営層が課題解決に言及

特に注目すべきは、競合他社を既に導入している企業の同業界・業種企業です。

市場でソリューションへの需要が顕在化している可能性が高いことや、ビッグネーム企業の成功事例が関心を引きやすいからです。

また、高精度なターゲティングを実践するには、データ活用基盤が不可欠です。

そのため以下2点は実施すべきだと私は思います。

  • 企業情報データベースや名寄せツールを活用し、リストの属性データ(従業員数、売上など)を正確に把握する。
  • 既存顧客の成功事例から、共通する課題や導入背景といったインサイト(示唆)を抽出する。

まとめ:大手企業開拓を成功に導く実践ポイント

データに基づく課題分析を実施する

IR資料、プレスリリース、業界メディアから各企業の経営課題を抽出しましょう。「DX推進に注力」「業務効率化が急務」など、自社ソリューションが解決できる具体的な課題を持つ企業を見極めることが重要です。

成功要因の共通点を発見する

既存顧客データから「年商規模」「部門人数」「導入背景」などの共通パターンを分析します。なぜ高い商談化率を達成できたのか、その法則性を明らかにして次のターゲティングに活用しましょう。

段階的な絞り込みで精度を高める

2,000社→1,000社→500社→100-200社へと、4STEPで段階的に絞り込みます。各段階で明確な基準を設け、最終的には「競合導入済みの同業他社」「関連部門を強化中」など、成功確度の高い企業に集中します。

以上です。

日本の大手企業はわずか0.3%、数千社しか存在しない貴重な市場。その中から自社に最適なターゲットセグメントを見つけ出すことが、大手企業開拓における最大の成果となるのです。

次回は、ターゲティング後のアプローチ、ABM戦略(アカウントベースドマーケティング)について触れていきますので、お楽しみに!!

▼参考ブログ:ABMでの受注率を飛躍させる秘訣

https://sales.en-sx.com/blog/015

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