「仲良し軍団」で終わらせない。
成果を生む『心理的安全性』の高い組織の作り方

「うちのチームは雰囲気が良く、人間関係も円滑だ」と感じていても、期待するような成果が上がらない…。その原因は、表面的な仲の良さが「ぬるま湯」状態を生み出しているからかもしれません。

居心地が良いだけの「仲良し軍団」では、活発な議論や新たな挑戦は生まれにくくなります。本当に強い組織とは、メンバーが本音で意見を交わし、互いに高め合えるチームです。

山本 大河
エンSX株式会社 アカウントマネージャー

2017年:小林製薬に新卒で入社し、営業職に従事。社内、顧客、競合を巻き込みながら成果を出し、社内表彰多数。2023年、エンSXにアカウントマネージャーとして中途入社後、最速で昇格。
現在は自ら最前線でクライアント支援で高いパフォーマンスを発揮しつつ、組織のマネジメントに尽力している。

「ぬるま湯チーム」と「生産性の高いチーム」の決定的な違い

チームの雰囲気は良いに越したことはありません。しかし、その中身が重要です。

あなたのチームはどちらのタイプに近いでしょうか?



この2つのチームを分ける鍵こそが、近年注目されている「心理的安全性」です。


仲の良さとは違う?「心理的安全性」の本当の意味

「心理的安全性」という言葉を聞くと、単に「仲が良く、居心地の良い状態」をイメージするかもしれません。しかし、その本質は少し異なります。

心理的安全性とは、チームや組織の中で「自分の意見を発言しても、拒絶・否定・攻撃されないと感じられる状態」を指します。

具体的には、以下のような環境が整っている状態です。



重要なのは、これが単なる「仲良しの空気」とは違うという点です。

意見の対立や厳しい指摘も、すべてはチームの成長と成果という共通目標のために交わされる。そんな信頼関係に基づいた状態こそが、真の心理的安全性なのです。



なぜ心理的安全性が高いと、チームは強くなるのか?

心理的安全性が確保されたチームは、メンバーのエンゲージメントやパフォーマンスに直結する、多くのメリットを享受できます。

・ストレスの低減:対人関係の不安が減り、メンバーは本来の業務に集中できます。
・チームワークの向上:オープンなコミュニケーションが活発になり、情報共有や連携がスムーズになります。
・イノベーションの促進:誰もが安心してアイデアを出せるため、新たな発想が生まれやすくなります。
・生産性の向上:問題の早期発見や迅速な意思決定が可能になり、チーム全体の成果が高まります。

これはスポーツの世界でも同じです。チームメイトの顔色を伺い、本音を言わずに仲良くしているだけのチームは、厳しい勝負の世界で勝ち上がることはできません。時には意見をぶつけ合いながらも、同じ目標に向かって率直に議論できるチームこそが、真の強さを手に入れ、大きな成果を出すことができるのです。


はじめの一歩は「尊重する意識」。リーダーの姿勢が対話の質を決める

心理的安全性を高めるための最も重要で、すぐに始められる一歩。それは、リーダーが「すべての意見に価値がある」と心から信じ、それを態度で示すことです。

たとえその意見が未熟であったり、自分とは正反対であったりしても、まずはその意見が「出てきたこと自体」を尊重する。この意識的な姿勢が、チームのすべてを変える起点となります。


1. まずは「場」を作る:完璧さより自己開示

メンバーが意見を出しやすくするためには、リーダー自身が「意見を歓迎している」という空気感を「背中」で示す必要があります。

リーダーが常に完璧な姿を見せていると、メンバーは「完璧な意見を言わなければならない」と萎縮してしまいます。

そこで意識すべきが、リーダー自身の自己開示です。「この件は私もまだ詳しくないんだ」「何か良いアイデアはないかな?」と、自らの不完全さを見せること。この姿勢が、「この場では、どんな意見を言っても大丈夫そうだ」という安心感を生み出し、意見表明のハードルを大きく下げます。


2. 次に「姿勢」で示す:論破より尊重

メンバーから意見が出てきたときこそ、リーダーの真価が問われます。ここで絶対にやってはいけないのが、頭ごなしの否定や、正論での論破です。

高めるべきは、意見の正しさをジャッジする意識から、その意見の背景を理解しようとする意識への転換です。

メンバーがその意見に至ったのには、必ず何らかの背景や意図があります。まずは、その思考プロセスに敬意を払うのです。

・感謝を伝える:「意見を出してくれて、ありがとう」

・関心を示す:「なるほど、面白い視点だね。もう少し詳しく教えてもらえる?」

・価値を承認する:「その観点はなかった。おかげで視野が広がったよ」

たとえ最終的にその意見を採用しないとしても、このように真摯に向き合い、尊重する姿勢を見せること。その経験こそが、メンバーの中に「このリーダーは自分の考えをしっかり受け止めてくれる」という信頼を育み、「次も意見を言ってみよう」という意欲に繋がるのです。


まとめ

本音が飛び交う、成果を出す組織を目指してチームの成果を最大化するためには、表面的な「仲良し軍団」から脱却し、本音で語り合える関係性を築くことが不可欠です。

その土台となるのが「心理的安全性」です。

心理的安全性が確保された組織では、メンバーは安心して意見を述べ、失敗を恐れずに挑戦できます。その健全な緊張感と信頼関係こそが、チームを成長させ、継続的な成果へと繋がっていきます。

ぜひこの機会に、自社のチームが「ぬるま湯」になっていないか、本音で意見を交わせる環境が整っているか、見直してみてはいかがでしょうか。

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