まず、目の前の商談相手が社内での検討を進めたいと思っているのか、合意を得る必要があります。ここが曖昧なままでは、担当者は社内で推進者として動いてくれません。
合意が得られない場合は、改めてネックを聞き出し、再度ネックに対する提案を行う。合意を得るまでこのプロセスを繰り返していきます。
効果的な質問例 | 「御社内で導入に向けて検討を進めていただけるということでよろしいでしょうか?」 |
決裁に至るまでの顧客内での承認のプロセス、要は誰の判子が必要なのか?次に誰の承認を得る必要があるのか?を明確にしていきます。
効果的な質問例 | 「具体的な承認のプロセスとしては、どのような流れになりますか?」 |
誰の承認を得ないといけないか?を明確にした後、どのような検討の流れをとるのか確認します。例えば、決裁における次の承認者は役員であったとしても、まずは現場の責任者に相談をするという検討プロセスをとる企業もよくあります。
この場合、役員の前に現場の責任者を説得しないといけませんので、ここを担当者任せにすると失注リスクが高まります。
効果的な質問例 | 「次回◯◯様からご承認いただくにあたり、どなたかに相談されますか?」 |
担当者が社内に対し、サービスをどう説明しようとしているのかを確認します。
担当者もこの時点では具体的にどう伝えるかまでのイメージができていないため、営業から質問することで初めて具体的にイメージをし始めます。
効果的な質問例 | 「◯◯様に良いと思っていただくために、何と言って弊社のサービスの導入の話を伝えますか?」 |
④でイメージした内容を伝えた場合、相談相手はどのような見解を示すのかを確認します。相談相手の性格や判断基準、これまで同様の提案をした時にはどんな反応だったかなどを具体的にイメージしてもらいます。
これにより、相談相手が言いそうな懸念点、ネックを洗い出します。
効果的な質問例 | 「それを伝えた場合、◯◯様は何と言いそうでしょうか?」 |
出てきた懸念点、ネックに対し、お互いに実施する宿題を合意します。
例えば、「投資対効果を具体的に示してくれと言われそうです」という回答だった場合、以下のようにお互いの宿題を明確にし、合意します。
顧客側:自社の現状の定量データを用意する
営業側:投資対効果の算出方法や他社事例を用意する
お互いの宿題を合意することで、共同作業となり、担当者の当事者意識や、営業とのパートナー関係の醸成にもつながります。
効果的な質問例 | 「では、私のほうでは●●を用意しますので、△△様は、□□の確認だけお願いできますか?」 |
最後に、ネクストアクションを設定します。
ネクストアクションの設定は、「またこちらから連絡します」等の曖昧なものではなく、目的、日時、連絡手段を提示した上でその場で合意します。
最後の最後にこの設定を曖昧な形で終えてしまう営業が意外と多いのですが、曖昧なネクストアクションでは、場合によっては連絡がつかなくなることもあります。ハイパフォーマーほどネクストアクションを握ることへのこだわりが強いです。
効果的な質問例 | 「次回改めて具体的な投資対効果の示し方をすりあわせるために、
●月●日曜日●時~オンラインでお打ち合わせできればと思いますがよろしいですか?」 |
以上の7つのステップを丁寧に進めていくことで、確実に案件は前進させられます。
ここで1つ注意点としては、時間配分です。
この7つのステップを進めるには10~15分はかかるため、少なくとも商談終了10分前にはクロージングに入ることをおすすめします。