営業のアポ取りとは? 主な手法や取り方のコツ、基本の流れを解説
営業における「アポ」とは、アポイントメントの略で、商談や面会を指す言葉です。「アポ取り」とは、顧客と商談をするため、面会の機会をつくることを指します。
本記事ではアポ取りについて、主な手法や流れ、成功させるコツなどを解説します。「アポ取りのやり方がよくわからない」「アポ取りできなくて困っている」という方は、ぜひ本記事を営業活動の参考にしてください。
目次[非表示]
- 1.営業の「アポ取り」とは?
- 1.1.アポ取りが必要な理由
- 2.アポ取りの主な手法
- 3.電話でアポ取りするときの流れ
- 3.1.顧客の調査など事前準備を行なう
- 3.2.最初に社名と名前を伝えて挨拶する
- 3.3.用件を簡潔に伝える
- 3.4.アポの日程を調整する
- 3.5.お礼を述べてクロージングする
- 3.6.電話で話した内容を記録しておく
- 4.電話でアポ取りするときのコツ
- 4.1.営業履歴を調べて架電リストを作る
- 4.2.先方の迷惑にならない時間帯に電話する
- 4.3.需要を確認する質問やポイントを考えておく
- 4.4.印象の良い話し方を心がける
- 4.5.電話した目的を冒頭で簡潔に述べる
- 4.6.商材を簡潔に説明できるよう準備する
- 4.7.商談にかかる時間を必ず伝える
- 4.8.アポイントが取れた日時を復唱する
- 5.メールでアポ取りするときの流れ
- 5.1.顧客の調査など事前準備を行なう
- 5.2.件名をつくる
- 5.3.本文をつくる
- 5.4.メール送信後、フォローコールをかける
- 6.メールでアポ取りするときのコツ
- 6.1.件名に用件を記載する
- 6.2.本文の冒頭でメールした目的を簡潔に述べる
- 6.3.アポの候補日時を複数提案する
- 6.4.先方が返信にかける時間を省く
- 7.まとめ
営業の「アポ取り」とは?
営業における「アポ」とは、アポイントメントの略で「商談・面会・面談」などを指す言葉です。また、営業における「アポ取り」とは、顧客と商談や面会をするため、日時の約束を取りつけることを指します。
アポ取りをするときは、商談の日にち・時間・場所などを具体的に顧客と約束します。アポ取りの手法には、電話やメールなどを活用するのが一般的です。
アポ取りが必要な理由
アポ取りは、顧客に自社商材への理解を深めてもらうため、重要な営業活動のひとつです。アポ取りをするときは、商談の日にち・時間・場所などを具体的に定めて顧客と約束を取りつけるため、商談の事前準備がしやすくなります。
事前にプレゼン資料を作成したり、商品サンプルを用意したりして、顧客が自社商材についてより理解を深められるよう対策できるでしょう。その結果、顧客に自社商材の良さが伝わり、成約につながりやすくなります。
アポ取りせずに顧客を訪問する「飛び込み営業」などの手法もありますが、基本的にはアポ取りをきちんと行なってから商談したほうが、落ち着いて話せるため成約率は高くなります。営業の成果を上げるなら、アポ取りはしっかり行なったほうがよいでしょう。
アポ取りの主な手法
アポ取りの主な手法には、電話とメールがあります。各手法の具体的な特徴やメリットなどを解説します。
電話
電話でアポ取りするメリットは、営業ターゲットと直接話せるため、コミュニケーションを取りやすいことです。直接話せる分、展開が早いので、相手のニーズを満たす提案ができれば、すぐにアポ取りまで漕ぎつけられる可能性が高いでしょう。
電話でアポ取りする方法は、主にテレアポと呼ばれています。また、テレアポとは少し趣旨が異なる非対面の営業手法として、インサイドセールスという手法もあります。
インサイドセールスは、電話・メール・オンライン会議ツールなどを駆使して非対面でリードナーチャリング(顧客関係の育成)する営業方法です。インサイドセールスでもテレアポと同様に、電話による顧客アプローチを行ないます。
ただし、インサイドセールスとテレアポは、主な目的が異なります。テレアポは「アポをより多く獲得すること」が目的ですが、インサイドセールスでは「より確度の高いアポを獲得すること」が主な目的です。
インサイドセールスとテレアポの違いは、以下の記事でも詳しく解説しています。「自社で行なうべき手法はどちらか知りたい」という方は、こちらの記事もぜひご覧ください。
▼インサイドセールスとテレアポの違いとは?運用ポイントも解説
https://sales.en-sx.com/column/difference-between-inside-sales-and-telephone-appointment
メール
メールでアポ取りをするメリットは、以下の3点です。
・電話で話せない人にも気軽にアプローチできる
・一斉送信できるので電話よりも手間がかからない
・アポの日程調整などを書面で行なえる(やり取りの証拠が残る)
一見すると、電話よりもメールの方が手軽で便利に思えるかもしれません。ただし、メールでアポ取りを狙う場合は、件名や本文の書き方に多くの工夫が必要です。
送信先の担当者が、パッと見ただけで興味関心を惹きつけられるような、魅力的な件名でなければ、開封されずに無視されてしまいます。本文の書き方もわかりやすく簡潔で、魅力的な文章でなければ、読み飛ばされてしまい返信はもらえないでしょう。
メールでアポ取りを狙う方法は、電話と同様にスキルが必要です。メール営業におけるコツや書き方などをより詳細に知りたい方は、こちらの記事もぜひご覧ください。
▼インサイドセールスのメールで成果を出すコツ10選! メール例文も紹介
https://sales.en-sx.com/column/inside-sales-email
電話でアポ取りするときの流れ
ここからは電話・メールにおけるアポ取りの流れやコツを解説します。まずは、電話でアポ取りするときの流れを確認していきましょう。
顧客の調査など事前準備を行なう
アポ取りをするとき、いきなり電話をかけても成功率は上がりません。電話をかける前に、事前準備をしっかりと行なうことが大切です。
電話でアポ取りするときは、以下のような事前準備をしておきましょう。
・顧客の企業情報などを調査する
・架電リストを作成する
・トークスクリプトを作成する
・アポの候補日を複数用意しておく
最初に社名と名前を伝えて挨拶する
先方が電話に出たら、最初に自社の社名と自分の名前を伝えて挨拶します。顔が見えない状態であっても第一印象が良くなるように、明るくハキハキと、感じの良い話し方を心がけましょう。
また、ビジネスの電話で「もしもし」を使うのは、マナー違反とされています。「もしもし」は使わずに、以下のようなフレーズを活用して電話しましょう。
新規顧客への電話の場合 |
「突然のご連絡、失礼いたします。私、〇〇株式会社の△△と申します」 |
既存顧客への電話の場合 |
「いつもお世話になっております。〇〇株式会社の△△と申します」 |
用件を簡潔に伝える
営業電話では、なるべく相手の時間を奪わないように配慮することが大切です。社名と名前を伝えて挨拶したら、1分程度で要件を簡潔に伝えましょう。
また、アポ取りするためには相手のニーズを聞き出し、それに対して「自社商材なら貴社の課題を解決できます」と提案して興味を惹く必要があります。会話のなかで適度に質問を挟み、相手のニーズや課題点を聞き出しましょう。
アポの日程を調整する
先方が面会に前向きな意思を示したら、日程を調整します。アポの日程を調整するときは、事前に候補日を複数ピックアップしておき、自分から相手に提案することが重要です。
顧客に日程調整を丸投げすると、面倒に思われて断られる可能性があるため、必ず自分から複数の候補日を提案しましょう。候補日から面談可能な日を指定する形式のほうが、顧客の負担感が少ないため、アポを獲得しやすくなります。
お礼を述べてクロージングする
日程調整まで終わったら、アポの具体的な「日にち・時間・場所」を復唱します。最後に「貴重なお時間をいただき、本当にありがとうございました」とお礼を述べて、丁寧に電話をクロージングしましょう。
電話で話した内容を記録しておく
電話でのアポ取りが終わったら、先方と話した内容を記録しておくと、今後の営業活動に役立ちます。
・架電した日時
・先方の担当者名
・話した内容や得た情報
こういった情報を自社の営業履歴に残しておきましょう。営業履歴が残っていれば、もし商談が一回で成立しなかったとしても、継続アプローチをかけるタイミングなどが分析しやすくなります。
電話でアポ取りするときのコツ
続いて、電話でアポ取りするときのコツを8つ紹介します。顧客に電話でアプローチする際は、以下のポイントを意識すると、アポ取りしやすくなるでしょう。
営業履歴を調べて架電リストを作る
アポ取りの電話をかける前に、自社の営業履歴を調べて架電リストを作成しましょう。むやみやたらに電話をかけるのではなく、アポを獲得できそうなターゲットにある程度は狙いを絞って架電することが大切です。
また、短期間に何度もアプローチすると、先方から「迷惑な企業だ」と警戒され、かえってアポが取りにくくなってしまいます。先方との過去のコンタクト履歴を調べて、架電しても問題ないタイミングかどうかをチェックしましょう。
営業履歴は、架電するタイミングを見計らうために重要な情報です。MA(マーケティング・オートメーション)などの営業支援ツールを活用し、営業活動の記録や、アプローチするタイミングの分析などを自動化するのもおすすめです。
先方の迷惑にならない時間帯に電話する
電話でアポ取りするときは、先方の迷惑にならない時間帯に架電することが大切です。一般的に午前中は10時~11時、午後は16時~17時が架電に適した時間帯といわれています。
しかし電話を取りやすい時間帯は、顧客の業種や営業時間などにより異なります。顧客の営業時間や休憩時間、休業日などを事前にリサーチし、迷惑にならない時間帯を特定して架電しましょう。
需要を確認する質問やポイントを考えておく
電話でアポ取りを狙うときは、自社商材の需要があるか否かを確認するための質問や、ニーズを聞き出すポイントをあらかじめ決めておきましょう。
電話営業でとりとめもなく、長々と話してしまうと、確度の低い見当違いのアポを獲得してしまう可能性があります。適切なタイミングで自社商材の需要や、相手のニーズを確認し、需要がどうしても見込めない場合は、早めに切り上げる判断をすることも重要です。
印象の良い話し方を心がける
電話でアポ取りするとき、相手に自分の表情は見えていません。相手は声のトーンや話し方のみで「話を聞くべきか否か」を判断するため、印象の良い話し方を心がけましょう。
・聞き取りやすい大きさではっきり話す
・普段よりも明るいトーンで元気に話す
・丁寧語・尊敬語・謙譲語を使い分け、正しい言葉遣いを心がける
上記を意識するだけでも、電話での印象が良くなります。また、電話で普段通りに話すと、早口に聞こえやすい傾向があるので、対面で話すときよりも少しゆっくり、丁寧に話すのもおすすめです。
電話した目的を冒頭で簡潔に述べる
営業ターゲットに電話をしたら、商材について説明する前に、電話の目的を簡潔に述べましょう。「誰が・何のために電話をかけてきたのか」がわからないままだと、怪しい電話だと思われて切られてしまう可能性があるからです。
まず、電話の冒頭で自社の会社名と自分の名前を名乗り、次に電話した目的を簡潔に伝えましょう。この時、「あなたにとってメリットのある提案をするために電話した」という伝え方をするのがコツです。
例えば「本日は弊社で新しく開発した〇〇のご紹介のためご連絡いたしました。この〇〇は△△という機能があるため、貴社が行なっている□□事業の業務効率化に役立ちます」というように、自社商材のメリットとあわせて電話の目的を伝えましょう。
商材を簡潔に説明できるよう準備する
アポ取りの電話をする前に、自社商材について簡潔に説明できるよう、台本を準備しておきましょう。営業の電話で一方的に長々と話してはいけません。商材については簡潔に説明し、アポ取りの時点では、相手の興味関心を惹きつけることだけに注力しましょう。
あまり詳細に説明しすぎると「わざわざ会って話を聞く必要がない」「会ったらもっと話が長いかも…」と思われてしまい、顧客から敬遠される可能性があります。
電話では商材の概要のみ手短に説明し、「詳細はお会いして商品のサンプルをお見せしながらお話したいのですが、ご都合いかがでしょうか」とアポにつなげるのがおすすめです。
商談にかかる時間を必ず伝える
顧客がアポに前向きな反応を示したときは、商談にかかる所要時間を伝えておきましょう。「新サービスの紹介をさせていただくため、20分ほどお話したいのですが、よろしいでしょうか」というふうに、具体的な所要時間を伝えることで、顧客がスケジュールを調整しやすくなります。
ただし2時間、3時間など、長い時間を指定することは避けましょう。商談に長時間かかると顧客が負担に感じ、アポを断られてしまう可能性があるので、手短に済ませられる時間を伝えるのがおすすめです。
アポイントが取れた日時を復唱する
顧客とアポが取れたら、必ず「日にち・時間・商談の場所」を復唱しましょう。復唱することにより、ダブルブッキングを防ぎやすくなります。
商談をオンラインで行なう場合は、利用するオンライン会議ツールの名称や、「商談用のURLをいつ・誰宛に送るか」なども先方に伝えておくと親切な印象を与えられます。
メールでアポ取りするときの流れ
次に、メールでアポ取りするときの流れを解説します。
顧客の調査など事前準備を行なう
メールでアポ取りをするときも、電話と同様に事前準備が必要です。むやみにメールを数多く送信しても成果にはつながらないので、以下のような準備をしておきましょう。
・顧客の企業情報などを調査する
・メールリストを作成する
・伝えたい内容を簡潔にまとめる
・アポの候補日を複数用意する
件名をつくる
事前準備が終わったら、件名を作成します。メール営業において、もっとも注力すべき項目は件名です。メールを受信した人は、毎日たくさん送られてくるメールのなかから、より重要そうなものを優先的に開封するため、パッと目を惹く件名を作成しましょう。
件名のなかに用件を簡潔に盛り込むのがおすすめです。例えば、「メールが届いた企業様限定! ○○のご紹介です」などのように、目を惹きつける限定感・特別感のある言葉とともに、用件を端的に伝えるとよいでしょう。
本文をつくる
本文を作成するときも、伝えたい内容を簡潔にまとめることが大切です。営業する側としては、多くの事柄をアピールしたくなるものですが、顧客側からすると文章量が多いメールは「わかりづらい」「読むのが面倒だ」と感じてしまいます。
本文はパッと見て「読みやすそう」と感じてもらえるように文字数を抑え、適度に改行したり、空行を挟んだりして可読性を上げましょう。
また、営業メールは以下の構成で作成します。
1.先方の企業名・部署名・役職名・名前
2.自社の企業名・部署名・役職名・名前
3.メールを送った目的や理由
4.メールの用件
5.結びの言葉
営業メールであっても、基本的なビジネスマナーを守る必要があります。誤字脱字や敬語の誤りなどにも注意し、印象の良い文章になるよう心がけましょう。
メール送信後、フォローコールをかける
メールを送信したら、なるべくフォローコールをかけるのがおすすめです。フォローコールをかけることにより、メールを見落とされる確率が低くなります。
フォローコールの時点で相手の興味を喚起できれば、アポ取りにつながる可能性もあるでしょう。アポ取りのメールは、送りっぱなしにするのではなく、送信後の追加アプローチが重要です。
メールでアポ取りするときのコツ
続いて、メールでアポ取りするときのコツを4つ解説します。顧客にメールでアプローチする際は、以下のポイントを意識すると、アポ取りしやすくなるでしょう。
件名に用件を記載する
先述したように、メール営業において、もっとも重要なのは件名です。件名で顧客の興味関心を惹きつけられなければ、メールを開封されることはありません。
件名のなかに端的に用件を記載し、「何のメールなのか」がひと目でわかるようにしましょう。また、件名は20文字程度に収めるのがおすすめです。なるべく左側(件名の最初)に限定感・特別感のある文言を盛り込むと、受信した人の興味を惹きつけやすくなります。
本文の冒頭でメールした目的を簡潔に述べる
メールでのアポ取りも、電話と同様に、メールした目的を冒頭で簡潔に述べることが大切です。「誰が・何のためにメールしてきたのか」がわからないと、顧客から怪しいメールだと思われてしまいます。商材の紹介をする前に、メールした目的を簡潔に記載しましょう。
メール本文に目的を記載するときは、事前準備で調べた顧客の情報から、ニーズや課題を予測し、「このメールは貴社の課題解決につながる内容です」とアピールするのがコツです。
例えば「本日は弊社が開発した〇〇というアプリをご紹介するためご連絡いたしました。この〇〇には△△という機能が搭載されており、貴社が行なう□□の生産性向上に役立ちます」というように、メールの目的とアピールポイントをあわせて伝えましょう。
アポの候補日時を複数提案する
アポの候補日時は、複数提案するよう心がけましょう。メールでアポ取りするときは、先方の手間をなるべく削減することが大切です。
顧客に「ご都合の良い日はいつですか」と質問し、自由に候補日時を挙げてもらうほうが、親切なやり方のように思えるかもしれません。しかし実際は、ゼロから日時を決めてもらうと顧客が負担を感じてしまい、面会自体を拒否される可能性が高くなります。
面倒を感じさせてしまう事態を回避するため、メールに候補日時を3~5つ程度記載しておき、顧客が都合の良い時間を選べるようにしましょう。
先方が返信にかける時間を省く
前述したように、メールでアポ取りするときは、顧客が返信にかける手間をなるべく省く必要があります。以下のような工夫を本文に施しておくと、顧客の手間が省けるため、返信率アップにつながるでしょう。
・アポの候補日時を複数提案する
・予約サイトを立ち上げて、サイトURLを本文に記載しておく
・日程表を記載し、都合の良い日時に〇をつけて返信できるようにしておく
上記のほか、オンライン商談ができる体制を整えておくのもおすすめです。オンライン商談なら、お互いに外出することなくサクッと話ができます。
オンライン商談が可能な場合は、その旨も本文に記載し、利用するツールや商談用URLなども情報共有しておくとよいでしょう。
まとめ
アポ取りについて、主な手法や流れ、成功のコツなどを解説しました。アポ取りの主な手法は、電話とメールです。アポ取りできる確率が高いのは電話ですが、メールには日程調整の証拠が文面で残るなどのメリットがあります。
どちらの手法が適しているかは、アプローチする顧客の業界や職種、担当者の役職などにより異なります。多忙な担当者とアポ取りしたい場合は、まずメールを送り、その後フォローコールをするとよいでしょう。
アポ取りには根気強さが必要です。1回のアプローチで成約に至るケースはほぼ無いため、タイミングを見極めながら何度もアプローチし、顧客関係を育成していかなくてはなりません。
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